番組情報
2022年6月29日(水)放送
※NHKプラスにて7月6日まで見逃し配信中
“60代は成長の10年に”~映画監督・是枝裕和 60歳~

「慣れ親しんでいるチームの中だけだと新しいものを生み出せない」
「まだ全然満足していない。もっと面白いものが撮りたい」
映画監督・是枝裕和さんが、NHKの120分に及ぶインタビューで語った言葉だ。4年前、映画「万引き家族」でカンヌ映画祭のパルムドールを受賞するなど世界的な監督となってもなお、みずからの成長を追い続けている。
今回、是枝監督が挑戦したのは、韓国を舞台に映画を撮ること。“チーム是枝”ではなく、俳優もスタッフも“オール韓国”という不慣れな環境に身を置き「武者修行」に挑んだ。
密着取材とインタビューで語った“60歳の是枝裕和“とは……。
(「クローズアップ現代」ディレクター 福井早希)
「まだ全然満足していない。もっと面白いものが撮りたい」
映画監督・是枝裕和さんが、NHKの120分に及ぶインタビューで語った言葉だ。4年前、映画「万引き家族」でカンヌ映画祭のパルムドールを受賞するなど世界的な監督となってもなお、みずからの成長を追い続けている。
今回、是枝監督が挑戦したのは、韓国を舞台に映画を撮ること。“チーム是枝”ではなく、俳優もスタッフも“オール韓国”という不慣れな環境に身を置き「武者修行」に挑んだ。
密着取材とインタビューで語った“60歳の是枝裕和“とは……。
(「クローズアップ現代」ディレクター 福井早希)
“相模原”事件が問いかけるもの
今回の映画の構想を考える上で、是枝監督には忘れられない経験があった。
神奈川県相模原市にある知的障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件。入所者など45人が死傷した。
神奈川県相模原市にある知的障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件。入所者など45人が死傷した。

実は是枝監督は、事件を起こした植松死刑囚と接見している。
是枝監督
「生きるに値しない命というものがあるのか。それは、何かすごく、世の中の前提が崩れてきてるっていう気がしています」
「生きるに値しない命というものがあるのか。それは、何かすごく、世の中の前提が崩れてきてるっていう気がしています」
植松死刑囚は事件後、「役に立たない人間を生かしておく余裕は社会にない」と語ったとされ、その言葉に同調する声が一部で広がった。是枝監督はその状況に強い危機感を抱くようになる。
是枝監督
「“自己責任”という言葉が声高に言われるようになって以降だと思いますが、いろんなことは“本人の責任”であって、それを社会の責任だとは誰も考えない…誰もというのは言い過ぎかもしれないけど、そう考える人たちの声が大きくなってきたと感じています」
「“自己責任”という言葉が声高に言われるようになって以降だと思いますが、いろんなことは“本人の責任”であって、それを社会の責任だとは誰も考えない…誰もというのは言い過ぎかもしれないけど、そう考える人たちの声が大きくなってきたと感じています」
自己責任論の広がりや、命が軽んじられる社会の背景に、“効率性”という言葉があると是枝監督は感じるようになっていく。
是枝監督
「いろんなものが“効率”で考えられるようになった。文学部の予算が削られるみたいなことも同じだと思います。“役に立つか、立たないか”っていうことが、命の基準に関しても適用され始めているという気がしていて、そのことにあらがいたいな、という気持ちがあるんです」
「いろんなものが“効率”で考えられるようになった。文学部の予算が削られるみたいなことも同じだと思います。“役に立つか、立たないか”っていうことが、命の基準に関しても適用され始めているという気がしていて、そのことにあらがいたいな、という気持ちがあるんです」
浮かび上がった「命」というテーマが、新作映画とも深く結び付いていく。
是枝監督
「『命』をどう肯定できるか、それは初めからあった問いではないですけれども、考えながら今回の映画は作りました」
「『命』をどう肯定できるか、それは初めからあった問いではないですけれども、考えながら今回の映画は作りました」
新作映画「ベイビー・ブローカー」は、「赤ちゃんポスト」に子どもを置いた母親と、その子を金のために売りさばこうとする2人のブローカーの男たちとが、一緒に養父母探しの旅に出るロードムービー。
カンヌ映画祭では、「血のつながりがなくても家族が存在できることを示した」作品として、「エキュメニカル審査員賞」を受賞。
主演のソン・ガンホさんの最優秀男優賞と合わせて二冠を達成した。
カンヌ映画祭では、「血のつながりがなくても家族が存在できることを示した」作品として、「エキュメニカル審査員賞」を受賞。
主演のソン・ガンホさんの最優秀男優賞と合わせて二冠を達成した。
「赤ちゃんポスト」を映画に 10年ごしの思い
是枝監督は10年近く前から「赤ちゃんポスト」をテーマにした映画を構想していた。日本の養子縁組制度や里親制度を調べる中、熊本県の慈恵病院にある「こうのとりのゆりかご」、いわゆる「赤ちゃんポスト」に預けられた子どもたちの存在を知った。
取材を重ねているうちに、その「赤ちゃんポスト」が韓国にもあることを知る。
取材を重ねているうちに、その「赤ちゃんポスト」が韓国にもあることを知る。

是枝監督
「韓国にも同様の『赤ちゃんポスト』があって、しかも日本より圧倒的にそこに預けられる赤ちゃんの数が多いというのを知って、日本よりさらに生々しい部分もある。じゃあ韓国でやろうと思っている映画の題材として選んでみようと」
「韓国にも同様の『赤ちゃんポスト』があって、しかも日本より圧倒的にそこに預けられる赤ちゃんの数が多いというのを知って、日本よりさらに生々しい部分もある。じゃあ韓国でやろうと思っている映画の題材として選んでみようと」
見えてきた“命”の意味
カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した「万引き家族」。その映画で描いたのは“疑似家族”だった。
是枝監督
「今回は、疑似家族の話ではないなと思ったんですよ。今回は、そのもう少し先へ行かなければという気持ちはありました」
「今回は、疑似家族の話ではないなと思ったんですよ。今回は、そのもう少し先へ行かなければという気持ちはありました」
映画を作り始めた時には、明確なテーマを定めていなかったという是枝監督。主演したソン・ガンホさんの言葉などから、この映画の意味がくっきりとしてきたという。

是枝監督
「ソン・ガンホさんが、あるインタビューのなかで、『今回の映画は命の話だ』と言っていて、それを聞いた僕は、『あ、そうか、命の話だったんだな』と思った記憶があります。だから、僕の中ではテーマはそんなに明快じゃなかった。むしろ出ていらっしゃった役者の側のほうが的確にこの映画をつかんでいたのかもしれないと思ったのが、正直なところです」
「ソン・ガンホさんが、あるインタビューのなかで、『今回の映画は命の話だ』と言っていて、それを聞いた僕は、『あ、そうか、命の話だったんだな』と思った記憶があります。だから、僕の中ではテーマはそんなに明快じゃなかった。むしろ出ていらっしゃった役者の側のほうが的確にこの映画をつかんでいたのかもしれないと思ったのが、正直なところです」
不慣れな環境にあえて飛び込んだ理由
初めて仕事をともにする俳優やスタッフ。なぜ言葉も環境も異なる現場で、映画を作る決断をしたのか。
是枝監督
「よくも悪くも、慣れ親しんでいるチームの中だと、あえて言語化しないでも通じてしまうことってあるじゃないですか。それだとなかなか自分から新しいものが出てこないという実感があったので、一度こういう形で“武者修行”という意味合いもありました」
「よくも悪くも、慣れ親しんでいるチームの中だと、あえて言語化しないでも通じてしまうことってあるじゃないですか。それだとなかなか自分から新しいものが出てこないという実感があったので、一度こういう形で“武者修行”という意味合いもありました」
数々の賞を受賞した日本を代表する映画監督は、まだ成長を追い求めていた。

韓国での撮影現場 手書きの絵コンテに込められた思い

是枝監督が映画「ベイビー・ブローカー」の撮影を始めたのは、去年4月。
日本人は、通訳など数名だけ。初めて組む韓国人スタッフとのコミュニケーションのために、“是枝流”を捨てた。
撮影の現場で用意されることの多い「絵コンテ」。
是枝監督は現場での発見を大事にしたいと、デビュー作以降行ってこなかった。
今回は、映像のイメージや場面の意味合いを共有するためにと、絵コンテを復活させた。
日本人は、通訳など数名だけ。初めて組む韓国人スタッフとのコミュニケーションのために、“是枝流”を捨てた。
撮影の現場で用意されることの多い「絵コンテ」。
是枝監督は現場での発見を大事にしたいと、デビュー作以降行ってこなかった。
今回は、映像のイメージや場面の意味合いを共有するためにと、絵コンテを復活させた。

是枝監督から絵コンテを手渡された撮影監督のホン・ギョンピョさん。ポン・ジュノ監督とも長くコンビを組む巨匠カメラマンは、是枝監督のこうした姿勢で、現場のチームワークが高まったという。
ホンさん
「監督の絵がとてもかわいいですよね(笑)。監督と撮影監督である私とのコミュニケーションや作品に対する理解が、この絵コンテを利用することによって深まりました。『ベイビー・ブローカー』という映画をどのように撮っていくのかという、そのスタイルが出来上がっていったんです」
「監督の絵がとてもかわいいですよね(笑)。監督と撮影監督である私とのコミュニケーションや作品に対する理解が、この絵コンテを利用することによって深まりました。『ベイビー・ブローカー』という映画をどのように撮っていくのかという、そのスタイルが出来上がっていったんです」
そしてホンさんは、是枝監督の人柄についても触れた。
ホンさん
「現場ではすごく楽しく撮影できました。是枝監督が常に明るくて前向きな人だったので。ワーカホリックできちょうめん。いつだって徹底的に準備するし、仕事もすごく明快。怒ることなく、いつも笑っていましたね」
「現場ではすごく楽しく撮影できました。是枝監督が常に明るくて前向きな人だったので。ワーカホリックできちょうめん。いつだって徹底的に準備するし、仕事もすごく明快。怒ることなく、いつも笑っていましたね」

言葉がわからない中でも、役者のセリフや演技を見極めることはできるのか。
是枝監督は、現場としっかり向き合うことによって、言葉が分からなくても演技の良さを確認することは、十分にできると語る。
是枝監督は、現場としっかり向き合うことによって、言葉が分からなくても演技の良さを確認することは、十分にできると語る。

是枝監督
「映画のお芝居を見ていくときの基準というものは、必ずしも言葉の意味だけではない。言葉の意味だけではない部分を、どう見ていくかということは、だいぶ鍛えられて韓国から戻ってきたので。『ベイビー・ブローカー』製作後、日本の役者を演出しているとき、演技を見るいわゆる“解像度”が上がっている感じはします。前だったら見過ごしているものが、ちゃんと見えるようになったという感覚は戻ってきて、しばらく続いているので、これからもこの感覚が消えないといいなと思っています」
「映画のお芝居を見ていくときの基準というものは、必ずしも言葉の意味だけではない。言葉の意味だけではない部分を、どう見ていくかということは、だいぶ鍛えられて韓国から戻ってきたので。『ベイビー・ブローカー』製作後、日本の役者を演出しているとき、演技を見るいわゆる“解像度”が上がっている感じはします。前だったら見過ごしているものが、ちゃんと見えるようになったという感覚は戻ってきて、しばらく続いているので、これからもこの感覚が消えないといいなと思っています」
もう一つの挑戦 韓国コンテンツの秘密を探る
是枝監督には、韓国での映画制作のかたわら、もう一つ関心を持っていたことがあった。アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』、世界90か国以上で大ブームとなったドラマ『イカゲーム』。
いま世界を席けんする韓国の映像コンテンツが生まれる背景に何があるのかということだ。
去年12月、製作の合間を縫って向かったのは、映画の街・釜山(プサン)。この町には韓国政府によって、映画振興に関わるさまざまな機関が集められている。
その一つが、1984年に国の方針に沿って作られた「韓国映画アカデミー」だ。「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督をはじめ、韓国を代表する映画監督たちが卒業した国立の映画学校だ。
いま世界を席けんする韓国の映像コンテンツが生まれる背景に何があるのかということだ。
去年12月、製作の合間を縫って向かったのは、映画の街・釜山(プサン)。この町には韓国政府によって、映画振興に関わるさまざまな機関が集められている。
その一つが、1984年に国の方針に沿って作られた「韓国映画アカデミー」だ。「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督をはじめ、韓国を代表する映画監督たちが卒業した国立の映画学校だ。

「韓国映画アカデミー」で学べるのは、「監督」・「撮影」・「プロデュース」・「アニメーション」の4コース。授業料はほとんどかからず寮も無償で提供される。
最大3年間、学生たちは映画作りに専念できる時間と環境を与えられるのだ。
最大3年間、学生たちは映画作りに専念できる時間と環境を与えられるのだ。

是枝監督が訪ねたこの日も、学生たちは短編映画の制作のまっただ中だった。
卒業後は9割が、映画に関わる仕事に就く。一度映画の現場に出た後に、また「韓国映画アカデミー」で学ぶために戻ってくる人も多いという。
是枝監督は、この学校運営の仕組みに関心を寄せていた。
学校の運営費用が、映画の入場料収入の一部を還元する形になっているのだ。
卒業後は9割が、映画に関わる仕事に就く。一度映画の現場に出た後に、また「韓国映画アカデミー」で学ぶために戻ってくる人も多いという。
是枝監督は、この学校運営の仕組みに関心を寄せていた。
学校の運営費用が、映画の入場料収入の一部を還元する形になっているのだ。

韓国には「映画発展基金」という公的基金があり、主にチケット収入の3%を拠出することで成り立っている。基金は、映画製作の助成金や、「韓国映画アカデミー」の運営など人材育成に充てられていく。
是枝監督は、若い才能の芽を、国や映画産業をあげて育てていこうという熱意を感じていた。
是枝監督は、若い才能の芽を、国や映画産業をあげて育てていこうという熱意を感じていた。
映画人が日本から流出
この町で、ある印象的な出会いがあった。釜山にあるもう一つの学校、「釜山アジア映画学校」で短編映画を作っていた中西舞さんだ。

映画の配給の仕事をしていた中西さん。自身も映画監督になりたいと会社をやめ、3年前に韓国にやってきた。
日本を拠点に活動することも考えたが、新人監督を支援する仕組みが見つからず、韓国に来る決断をしたという。
日本を拠点に活動することも考えたが、新人監督を支援する仕組みが見つからず、韓国に来る決断をしたという。
是枝監督:
釜山にきたきっかけは何だったんでしょう?
中西さん:
韓国という国がアジアの制作者の方にチャンスを与えて人材育成をしていくということを知り、すごく感銘を受けたんです。日本でそういったプログラムっていうのを全く知らなかったので。
釜山にきたきっかけは何だったんでしょう?
中西さん:
韓国という国がアジアの制作者の方にチャンスを与えて人材育成をしていくということを知り、すごく感銘を受けたんです。日本でそういったプログラムっていうのを全く知らなかったので。
国籍に関わらず、映画学校や映画製作の支援制度が利用できる韓国。中西さんは韓国に来て、すでに2本の短編映画を完成させた。
中西さん
「もし日本が、今のように映画製作者に対して助成をする、ファンディングをするということをしないのであれば、私はたぶん10年後も他の国の製作者とタッグを組んで映画を作っているんじゃないかなと思います」
「もし日本が、今のように映画製作者に対して助成をする、ファンディングをするということをしないのであれば、私はたぶん10年後も他の国の製作者とタッグを組んで映画を作っているんじゃないかなと思います」
映画を志す若者が、日本の映画界を離れ、海外に渡る現状を目の当たりにした是枝監督。自分たちの世代が、この現状を変えなければならないと感じていた。

是枝監督
「実際に来てみると、今の韓国映画の隆盛には人材育成や国のバックアップという背景がある、ということをすごく感じます。日本でも映画文化というものを何とかいい形で次の世代へ渡そうと思った時にやっぱり足りないものがたくさんあるなと。
個別にやることはやってるつもりなんですけど、もう少し業界全体が次の世代を育てていくという認識をちゃんと共有できないと、たぶん今僕らが育ってきた豊かな映画環境みたいなものを次の世代に手渡せなくなってしまう」
「実際に来てみると、今の韓国映画の隆盛には人材育成や国のバックアップという背景がある、ということをすごく感じます。日本でも映画文化というものを何とかいい形で次の世代へ渡そうと思った時にやっぱり足りないものがたくさんあるなと。
個別にやることはやってるつもりなんですけど、もう少し業界全体が次の世代を育てていくという認識をちゃんと共有できないと、たぶん今僕らが育ってきた豊かな映画環境みたいなものを次の世代に手渡せなくなってしまう」
是枝監督は6月、他の映画監督とともに、日本映画界にも人材育成や労働環境改善を支援する組織が必要だと訴え、団体を立ち上げた。
60歳 この先の10年を成長の10年に
「ベイビー・ブローカー」の製作を終えた是枝監督は、次の作品へと動き出している。アメリカの動画配信大手、ネットフリックスとタッグを組んだ連続ドラマだ。
歩みを止めないその背中は、日本の映画界へのメッセージを発しているかのように見えた。
歩みを止めないその背中は、日本の映画界へのメッセージを発しているかのように見えた。
是枝監督
「配信の勢力が黒船のように日本に入ってきて、日本の映画産業、映画文化が本当に危機感を持つのかどうなのかということ。僕はもっと面白いものが撮りたいと思っています。
まだ全然満足していない。実現できていない企画もたくさんありますし、日本の中でも撮りたいと思っているトピックはいくつかある。その辺りを全部やってると、たぶんあと10年かかるなっていう感じなので。
止まるとね、たぶん死んじゃうと思うんですよね。だから止まらないように、いま自転車をずっとこいでいる感じです」
「配信の勢力が黒船のように日本に入ってきて、日本の映画産業、映画文化が本当に危機感を持つのかどうなのかということ。僕はもっと面白いものが撮りたいと思っています。
まだ全然満足していない。実現できていない企画もたくさんありますし、日本の中でも撮りたいと思っているトピックはいくつかある。その辺りを全部やってると、たぶんあと10年かかるなっていう感じなので。
止まるとね、たぶん死んじゃうと思うんですよね。だから止まらないように、いま自転車をずっとこいでいる感じです」
先月、60歳を迎えた是枝監督。
釜山での滞在期間中に、映画学校の学生から投げかけられた“年齢”についての質問がある。
釜山での滞在期間中に、映画学校の学生から投げかけられた“年齢”についての質問がある。

学生:
60代になって是枝監督に新たな目標ができたのか、知りたいです。
是枝監督:
俺、ちょっと優秀になったかもしれないと思った。この年で。普通の社会人だったら定年が見えてくるような年齢だけど、まだ俺成長できるなと思って監督として。なので、60代は、成長の10年にしようと思っています。
60代になって是枝監督に新たな目標ができたのか、知りたいです。
是枝監督:
俺、ちょっと優秀になったかもしれないと思った。この年で。普通の社会人だったら定年が見えてくるような年齢だけど、まだ俺成長できるなと思って監督として。なので、60代は、成長の10年にしようと思っています。
取材を終えて
是枝監督とお話しさせていただく時間は、ディレクターとしてのこちらの姿勢や眼差しが問われているようで、いつも特別な緊張感がありました。
取材後、帰り道で心に浮かぶのはいつも反省点ばかりでしたが…。
「映像の世界は楽しいよな」とおっしゃる是枝監督の言葉を胸に、これからも努力していきます。
取材後、帰り道で心に浮かぶのはいつも反省点ばかりでしたが…。
「映像の世界は楽しいよな」とおっしゃる是枝監督の言葉を胸に、これからも努力していきます。

政経・国際番組部ディレクター
福井 早希
2011年入局
福岡局、ニュースウオッチ9などを経て現職
日韓関係やアジアを中心に国際情勢を取材
福井 早希
2011年入局
福岡局、ニュースウオッチ9などを経て現職
日韓関係やアジアを中心に国際情勢を取材
「僕はまだ成長できる?映画監督・是枝裕和の挑戦?」

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