NATO首脳会議閉幕「加盟国守るための決定」成果強調

スペインで開かれていたNATO=北大西洋条約機構の首脳会議は先月30日閉幕し、NATOのストルテンベルグ事務総長は「NATOがこれからも平和を守り、紛争を防ぎ、加盟国の国民と価値観を守っていくための決定を行った」と述べ、成果を強調しました。

スペインのマドリードで開かれたNATOの首脳会議は、最終日の30日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で懸念される食料危機が中東やアフリカの情勢に与える影響などについて意見を交わしたうえで閉幕しました。

NATOのストルテンベルグ事務総長は記者会見で、NATOをとりまく安全保障上の環境が厳しくなっているという認識を示したうえで「NATOがこれからも平和を守り、紛争を防ぎ、加盟国の国民と価値観を守っていくための決定を行った」と述べ、首脳会議の成果を強調しました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中で開かれた今回の首脳会議では、ロシアを直接的な脅威と位置づけ加盟国の防衛態勢を大幅に強化し、北欧のフィンランドとスウェーデンの加盟に向けて正式な手続きを始めることでも合意しました。

ストルテンベルグ事務総長は近く2か国の外相による加盟のための文書、「加盟議定書」への署名が行われることを明らかにしました。

また今回の首脳会議では、中国についてもNATOの安全保障や利益に課題をもたらす存在だとして、価値観を共有する日本などと協力を深めていくことを決め、中国側は「冷戦思考によって対立をあおるものだ」などと反発しています。