国連 グテーレス事務総長 広島での平和記念式典に初めて出席へ

国連のグテーレス事務総長が、ことし8月6日の広島原爆の日に広島市で開かれる平和記念式典に初めて出席することがわかりました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって核の脅威が高まる中で、事務総長としては、核兵器のない世界の実現に向けて、国連として取り組むメッセージを被爆地から発信するものとみられます。

関係者によりますと、国連のグテーレス事務総長は、8月6日の広島原爆の日に、広島市の平和公園で開かれる平和記念式典に出席する意向を決め、広島市と具体的なスケジュールの調整を進めているということです。
グテーレス事務総長が日本を訪問するのは就任以来5回目で、2018年には8月9日の長崎原爆の日に長崎市の平和祈念式典に出席しましたが、広島原爆の日にあわせた訪問は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で実現せず、今回が初めてです。

また、現職の国連事務総長が広島市の平和記念式典に出席するのは、2010年に当時のパン・ギムン(潘基文)事務総長が出席して以来、12年ぶりです。

グテーレス事務総長としては、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって核の脅威が高まる中で、被爆地・広島から核兵器のない世界の実現に向け国連として取り組むメッセージを発信するものとみられます。

また、ことし8月1日からは、世界の核軍縮の方向性を話し合う、NPT=核拡散防止条約の再検討会議が7年ぶりにニューヨークで開かれる予定で、広島から国際社会に向けて、核軍縮をめぐる合意を目指すよう促すねらいもあるものとみられます。