中国 製造業の景況感指数 4か月ぶりに節目の「50」上回る

中国の今月の製造業の景況感を示す指数は、最大の経済都市・上海で厳しい外出制限が解除されるなど新型コロナウイルスの感染拡大の影響から回復が進んだため、4か月ぶりに景気判断の節目となる「50」を上回りました。

中国国家統計局が製造業3200社を対象に調査している製造業PMI=購買担当者景況感指数によりますと、今月の指数は50.2と、先月を0.6ポイント上回りました。

景気のよしあしを判断する節目となる「50」を上回るのは4か月ぶりです。

これは、上海で2か月余り続いた厳しい外出制限が今月1日に解除されるなど、国内各地で感染拡大が抑えられて感染対策が緩和されたことで生産や物流の回復が進んだためです。

ただ、企業の規模別の指数で見ますと、大企業と中規模企業がいずれも節目となる50を上回ったのに対して、小規模な企業は48.6と低い水準にとどまり、回復に差が生じています。

一方、宿泊や飲食など非製造業の今月の景況感指数は54.7で、先月から6.9ポイント上昇し、こちらも4か月ぶりに50を上回りました。

感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策について、習近平国家主席は「最も経済的で効果的だ」と堅持する姿勢を強調していますが、厳しい対策の影響などで政府が目標として掲げるプラス5.5%前後の経済成長率の達成は難しいという指摘が出ていて、今後、景気回復が順調に進むかが焦点となります。