キリンHD ミャンマーでのビール事業 譲渡先決まる

ビール大手のキリンホールディングスは、撤退を決めたミャンマーのビール事業について、傘下におさめている現地のビール会社に保有する事業のすべての株式を譲渡することを決めました。

キリンは、ミャンマーのビール事業をめぐり、軍と関係する現地の大手複合企業「ミャンマー・エコノミック・ホールディングス」と共同で2つの合弁会社を運営してきました。

しかし、去年2月のミャンマー軍によるクーデターで軍に対する国際的な批判が高まる中、事業を続けるのは難しいとして合弁先との提携を解消することを決め事業の譲渡先を探していました。

発表によりますと、キリンは合弁会社の1つでミャンマー最大手のビール会社「ミャンマー・ブルワリー」に対し保有している事業のすべての株式を譲渡することを決めました。

このうちミャンマー・ブルワリーの株式の譲渡額は日本円でおよそ224億円だとしています。

キリンは当初、軍とのつながりが比較的薄い外部の企業への売却も検討していましたが、売却にはミャンマー政府の承認などが必要で、手続きにかかる時間などを考慮した結果、合弁会社への譲渡を決めたということです。

キリンは今後、現地当局の許可を得たうえで株式の譲渡を完了させ、ミャンマー市場から撤退することにしています。

西村副社長「最良の選択肢を選んだ」

キリンホールディングスの西村慶介副社長はオンラインによる会見で「外部の企業からも買収したいと複数の打診はあったが、共同で出資している軍と関係する大手複合企業や、ミャンマー政府の承諾が得られないリスクなどを考えると、第3者への譲渡は極めて難しいと判断した」と述べました。

また、ミャンマー市場から撤退することで大株主として残る大手複合企業の事業への支配力が強まり、ミャンマー軍に有利な形になるのではないかと問われると、西村副社長は「その可能性は否定できないが、事業の収益が直接、軍に上がるわけではないと考えている。われわれとしては『撤退する』という大命題が与えられた中で最良の選択肢を選んだ」と述べました。