トルコ 北欧2か国NATO加盟支持 背景に米の安全保障上の協力か

NATO=北大西洋条約機構の首脳会議に合わせてアメリカのバイデン大統領はトルコのエルドアン大統領と会談し、北欧のフィンランドとスウェーデンのNATO加盟を支持したことに直接感謝の意を伝えました。トルコが支持に転じた背景には、アメリカがトルコが求める安全保障上の協力を推進する姿勢を示したためではないかとの見方が出ています。

アメリカのバイデン大統領とトルコのエルドアン大統領は29日、NATOの首脳会議が開かれているスペインで会談しました。

会談の冒頭、バイデン大統領は「フィンランドとスウェーデンの状況をまとめてくれたことに感謝したい」と述べ、エルドアン大統領が当初難色を示していた北欧2か国のNATO加盟について、支持に転じたことに直接感謝の意を伝えました。

アメリカとトルコをめぐっては、トルコがロシアから最新鋭の地対空ミサイルシステムを購入したことにアメリカが反発し、最新鋭のステルス戦闘機F35の多国間共同開発計画からトルコを排除したことで関係が冷え込んでいました。

トルコはその後アメリカに対し、F35を提供しない代わりにトルコ軍が所有するF16戦闘機の性能の向上や追加配備に協力するよう求めていましたが、アメリカ政府の高官は29日、記者団に対し「トルコのF16の近代化を完全に支持する」と述べ、前向きな姿勢を示しました。

トルコが北欧2か国の加盟支持に転じた背景には、アメリカがトルコが求める安全保障上の協力を推進する姿勢を示したためではないかとの見方が出ています。