FRB議長 “物価が想定通りに下がらないほうが経済リスク”

アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は29日に行われたフォーラムで、大幅な利上げによる景気の減速よりも物価が想定通りに下がらないことのほうが経済のリスクになるという見解を示しました。

FRBのパウエル議長は29日、ヨーロッパ中央銀行がポルトガルで開いた経済フォーラムに出席しました。

この中でパウエル議長はFRBが進める異例の大幅利上げによって市場などで景気後退への警戒が強まっていることについて、アメリカの家計の貯金の多さや雇用の改善傾向を挙げたうえで「金融引き締めに耐えられる」と述べ、景気は減速するものの大きくは崩れないという見通しを示しました。

そのうえでパウエル議長は「景気の減速が最大のリスクではなく物価の安定を回復できないことが大きな過ちになる」と述べ、物価が想定通りに下がらないことのほうが経済のリスクになるという見解を示しました。

このためパウエル議長はインフレ抑制を優先して金融引き締めを加速させる方針ですが、ウクライナ情勢を受けたエネルギーや食料の価格高騰が著しいことを理由に「強い雇用を維持しながらインフレを抑制する目標を実現できる保証はなく、道はより狭まっている」とも述べていて、難しいかじ取りが続きそうです。