プーチン大統領 “勢力圏”と結束強調 欧米側けん制か

ロシアのプーチン大統領は中央アジアのトルクメニスタンを訪問し、天然資源が豊富なカスピ海沿岸の5か国による首脳会議に出席しています。ロシアが勢力圏と見なす旧ソビエト諸国やイランとの結束を強調し、欧米側をけん制したい思惑があるとみられます。

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻後、初めてとなる外国訪問を行っていて、28日に中央アジアのタジキスタンを訪れたのに続き29日にはトルクメニスタンを訪れました。

そして天然資源が豊富なカスピ海沿岸のトルクメニスタン、カザフスタン、アゼルバイジャンの旧ソビエト諸国、それにイランが参加する5か国の首脳会議に出席しています。

これに先立ちプーチン大統領はトルクメニスタンとの首脳会談で「今回の会議はわれわれの国や地域全体にとって非常に重要なイベントであり、有益なものとなるだろう」と述べました。

欧米を中心にロシア産の天然資源に依存しない「脱ロシア化」の動きがみられる中、プーチン大統領としてはエネルギー分野でのロシアの存在感を示すねらいもあるとみられます。

またNATO=北大西洋条約機構の首脳会議で、北欧2か国のNATOへの加盟などをめぐり協議が行われるのに対し、プーチン大統領としてはロシアが勢力圏と見なす旧ソビエト諸国や、中東のイランとの結束を強調し欧米側をけん制したい思惑があるとみられます。

訪問中、プーチン大統領はイランのライシ大統領などとの個別の首脳会談も行うことにしています。