冒頭、NATOのストルテンベルグ事務総長は、集まった各国の首脳を前に、「今回の首脳会議は、より危険で競争が激しくなる世界においてNATOを強化するための重要な決定を行う場となる」と述べ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中で開かれる会議の意義を強調しました。
今回の首脳会議では、この先およそ10年のNATOの活動指針などをまとめた「戦略概念」を採択し、ロシアを脅威と位置づけるほか、NATOの安全保障や利益、価値観に課題をもたらす存在として、中国にも初めて言及します。
そして、ヨーロッパ東部の防衛態勢の大幅な強化やウクライナへの長期的な軍事支援について合意するほか、北欧のフィンランドとスウェーデンの2か国の加盟に向けた手続きを正式に始めることで各国が合意する見通しです。
NATO首脳会議始まる “重要な決定を行う場となる” 事務総長
NATO＝北大西洋条約機構の首脳会議は日本時間の29日夜、スペインで始まりました。ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、NATOのストルテンベルグ事務総長は、「より危険で競争が激しくなる世界において、NATOを強化するための重要な決定を行う場となる」と述べ、会議の意義を強調しました。
NATOの首脳会議は、日本時間の午後6時ごろ、スペインの首都マドリードで始まりました。
また、日本時間の29日午後10時から予定されている拡大会合には、日本の岸田総理大臣を含むアジア太平洋の4か国の首脳も初めて参加し、NATOとの連携強化を打ち出すものと見られます。
ロシア外務次官 “北欧2か国の加盟 ロシアは否定的”
ロシア外務省のリャプコフ外務次官は29日、記者団に対し「NATO＝北大西洋条約機構の拡大は不安定要因であり、フィンランドとスウェーデンのNATOへの加盟に対して、ロシアは否定的だ」と述べ、警戒感を示しました。