“部屋の明け渡し義務ない” 首都圏の原発避難者が追加の提訴

福島第一原子力発電所の事故のあと自主的に避難し、首都圏の国家公務員宿舎で暮らしている住民たちが、部屋を明け渡す義務がないことなどを求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
住民たちは無償提供が終了したあとも宿舎に住んでいて、福島県は明け渡しなどを求め訴えを起こす方針を示しています。

原発事故のあと福島県から自主的に避難し、東京と埼玉県の国家公務員宿舎で生活している住民10人は、平成29年3月末に無償での部屋の提供が終了したあとも入居を続けていますが、家賃などは支払っていません。

住民たちは、県から家賃の2倍に当たる損害金の支払いや、部屋の明け渡しを求められ、精神的な苦痛を受けたとして1人当たり100万円の損害賠償を求める訴えをことし3月、東京地裁に起こしました。

これに対し今月、福島県が部屋の明け渡しなどを求めて訴えを起こす方針を県議会で示したため、住民たちは部屋を明け渡す義務がないと主張して、29日、追加の訴えを起こしました。

原告の1人の40代の男性は「派遣で働いているので仕事がいつなくなるかもわからず、収入も安定しない中、住むところがなくなるのは不安だ」と話していました。

福島県は「訴状が届いておらず内容を把握していない。事実関係を確認したうえで対応していく」とコメントしています。