北朝鮮メディア “日米韓の安全保障強化は「アジア版NATO」”

NATO=北大西洋条約機構の首脳会議にあわせて日米韓3か国による首脳会談が開かれるのを前に、北朝鮮の国営メディアは安全保障面での3か国の連携強化について「『アジア版NATO』創設のための危険な前奏曲だ」として、強くけん制しました。

日本とアメリカ、韓国の3か国はおよそ5年ぶりとなる首脳会談を29日にスペインで行う予定で、アメリカ政府の高官は核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応が主な議題になるという認識を示しています。

これを前に、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、論評を発表し、安全保障面での3か国の連携強化について、「『アジア版NATO』創設のための危険な前奏曲だ。無分別な軍事的対決のふるまいは破滅的な結果だけを招くだろう」として、強くけん制しました。

また朝鮮中央通信は、NATO首脳会議についての談話も国際政治研究学会の研究員の名前で発表しています。

この中では、日韓の首脳が初めて出席することなどを挙げながら、「NATOは東ヨーロッパで災いをもたらしている。北大西洋の黒い波が静かな太平洋を壊す不吉な兆しだ」と非難していて、NATOが朝鮮半島情勢に関与することに警戒感をあらわにしています。