【知りたい!】高校入試 “謎の内申書” 部活動はどう評価?

「部活をやらないと内申に影響する」
中学生の時、耳にしたことはありませんか?

受験生の親にとっても気になるわが子の内申書。でも実際、部活動がどのぐらい影響するものなのか、はっきりと分かっている方は少ないのではないでしょうか。

全国を取材してみると、地域によって扱いに大きな違いがあることがわかりました。

そもそも内申書ってなに?

学期末に手渡される「通知表」はすぐに思い出せるけれど「内申書」は見たことがない。そんな方が多いと思います。

文部科学省によると、「内申書」とは通称で、正式には「調査書」とされています。

高校の入学者選抜のための資料として作成され、ふだんの学習状況の評価のほか、学力以外の個性や長所についても積極的に評価するためのものとしています。

具体的に何を記載項目とするかは、国が一律に決めるものではなく、各都道府県の教育委員会で定めるということです。

「部活動の記載を評価」33道府県で

部活動の記載を入試で評価する地域はどの程度あるのか、去年の夏、文部科学省が調査していました。

この調査は全国の都道府県の教育委員会を対象に、公立高校の一般入試で、内申書に部活動の記載があった場合の評価の在り方について聞きました。
その結果、
▽「総合的に判断する際の資料とする」としたのが31の道府県で、
▽「顕著な成績がある場合は加点」としたのが埼玉県と佐賀県の2県と、
少なくとも33の道府県で部活動を評価対象とすることがあることがわかりました。

このほか、14都府県が「その他」と回答しました。
(※都道府県別の回答は記事の文末にまとめて記載しています)

具体的にはどういうことなのか、調査結果をもとに自治体の教育委員会に取材しました。

「総合的な判断資料とする」地域では

【福岡県】
学力検査の成績や内申書の評定で上位およそ6割の合格者を決めたうえで、残る4割の合否判定については部活動などを含めた内申書の記載も評価対象とするということです。

【愛知県】
入試の実施要項に、合格者を決める際には部活動などを含めた内申書の記載と学力検査の結果、面接などをもとに「総合的に判断する」と記されています。

「総合的に判断」といってもその内容は自治体によってさまざまな形がありそうです。

「顕著な成績を加点する」地域では

【埼玉県】
学校ごとに定める選抜基準に全国大会や県大会への出場成績や、部長を務めた経験などを、評価の目安として記載する学校もあります。
部活動以外の活動についても生徒会長や学級委員長を務めた経験や、英語検定の資格があれば得点を与える学校もありどのような取り組みが評価されるかは、県のホームページで学校ごとに公表しています。

【佐賀県】
部活動については、県や市で行われた大会で優秀な成績を収めたり顕著な功績を上げたりした場合は加点するとしていて、配点は学校ごとに定めているということです。

東京都は「評価の対象としない」

「その他」と回答した自治体にも聞いてみました。
【東京都】
一般入試では学力検査の成績と内申書の評定のみで合否判定を行うため、部活動を評価の対象としていませんでした。

【神奈川県】
部活動の記載については、面接での参考として用いるにとどめているということです。

【千葉県】【群馬県】
部活動を評価の対象とするかどうかは、学校によって対応が異なるとしています。

広島県では入試改革が進む

一方、すでに入試改革を進めている広島県では、部活動の評価についても見直しを進めています。

去年の夏の調査では「総合的な判断資料とする」と回答していましたが、今年度実施される高校入試から内申書に部活動の成績などを記載することをやめ、かわりに生徒が自分の長所などを自由にアピールできる面談を導入することにしています。

部活動の入試評価基準・配点の公表を

国の有識者会議が今月公表した提言の中では、部活動の評価基準や配点が実施要項では決められておらず各高校の裁量に委ねられ、公表されていない場合もあるとして、生徒や保護者にとっては一般入試でどう評価されるのか明確でないと指摘されています。

そうした課題を踏まえ、部活動の評価の観点や配点については、入試の実施要項や各高校のホームページなどで明示することが必要だとしています。

そのうえで、部活動について内申書に記載する場合も単に活動歴や大会成績のみでなく、生徒の個性や意欲についても記載することで多面的に評価していくことが望ましいとしています。
提言では、公立中学校の休日の部活動を来年度以降、段階的に地域に移行していくにあたり、高校入試でどのように評価していくべきか検討が必要だとしていて、部活動の評価の在り方が今後、変わっていくのか注目されます。

国の調査結果を詳しく

文部科学省が去年8月にかけて行った調査で、部活動を評価の対象とすることがあると回答した33道府県のうち、「総合的に判断する際の資料とする」とした自治体は、次の31道府県でした。

▽北海道
▽宮城県
▽山形県
▽茨城県
▽栃木県
▽新潟県
▽富山県
▽石川県
▽福井県
▽長野県
▽岐阜県
▽静岡県
▽愛知県
▽滋賀県
▽京都府
▽奈良県
▽和歌山県
▽鳥取県
▽島根県
▽岡山県
▽広島県
▽山口県
▽徳島県
▽香川県
▽愛媛県
▽高知県
▽福岡県
▽長崎県
▽大分県
▽宮崎県
▽鹿児島県

また、▽埼玉県と▽佐賀県の2県は「顕著な成績がある場合は加点」としています。

このほか、「その他」と回答したのは次の14都府県です。
▽青森県
▽岩手県
▽秋田県
▽福島県
▽群馬県
▽千葉県
▽東京都
▽神奈川県
▽山梨県
▽三重県
▽大阪府
▽兵庫県
▽熊本県
▽沖縄県