「海難救助など日ロの連携協力 重要」海保 石井長官就任会見

海上保安庁の新しい長官に就任した石井昌平氏が記者会見し、北海道・知床半島沖の観光船の沈没事故を念頭に、日ロ関係の悪化が懸念される中でも、海難救助など必要不可欠な連携協力は重要だという考えを示しました。

石井氏は、昭和63年に旧運輸省に入省したいわゆるキャリア官僚で、海上保安庁でも第五管区海上保安本部長や本庁の次長などを歴任してきました。

海上保安庁のトップにキャリア官僚が就任するのは9年ぶりです。

石井長官は28日の就任の記者会見で、ロシアのウクライナへの侵攻で日ロ関係の悪化が懸念される中、海上保安当局どうしの関係について問われたのに対し「海難救助などの観点から、必要不可欠な連携協力については維持していくことが重要だ」と述べました。

知床半島沖の沈没事故では、行方が分かっていない乗客・乗員の捜索や身元確認についてロシア当局と情報をやり取りするなどしていて、引き続き連携を図っていく考えを示しました。

また、中国が沖縄県の尖閣諸島周辺で活動を活発化させるなど、海洋進出の動きを強めていることについては「接続水域内の航行や領海侵入が相次いでいることは極めて深刻である」と述べたうえで、領海警備に万全を期す考えを強調しました。