NATO首脳会議29日から開催 欧州東部の防衛態勢強化で合意へ

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、NATO=北大西洋条約機構の首脳会議は、日本時間の29日午後からスペインで開かれます。首脳会議では、ロシアをNATOにとっての脅威と位置づけ、加盟国の防衛態勢の大幅な強化やウクライナへの長期的な軍事支援のほか、中国を念頭に日本を含むアジア太平洋の国々との連携強化も打ち出す見通しです。

NATOの首脳会議は、日本時間の29日午後から2日間の日程で、スペインの首都マドリードで開かれます。

NATOの加盟国30か国に加え、加盟を申請しているフィンランドとスウェーデン、そして、岸田総理大臣を含むアジア太平洋の4か国の首脳も参加します。

首脳会議ではこの先およそ10年のNATOの活動指針などをまとめた新たな「戦略概念」を採択し、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアをNATOにとって脅威と位置づけたうえで、ヨーロッパ東部の防衛態勢の大幅な強化やウクライナへの長期的な軍事支援で合意すると見られます。

また「戦略概念」では、NATOの安全保障や利益、価値観に課題をもたらす存在として初めて中国にも言及し、首脳会議では、日本を含むアジア太平洋の国々との連携強化も打ち出す見通しです。

欧米各国と日本などは、ドイツで開催されたG7サミット=主要7か国の首脳会議に続き、NATOの首脳会議の場でもロシアと中国に結束して対応する姿勢を鮮明にしたい考えです。

ロシア NATO部隊の大幅増強に反発

スペインで日本時間の29日午後から行われるNATO=北大西洋条約機構の首脳会議で、不測の事態に対応するNATOの部隊を30万人規模へ大幅に増強することなどで合意される見通しとなっていることについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は28日「NATOはかなり攻撃的な連合体だ。対立を目的に創設され、その本質を示し続けている。NATOの軍事インフラは20年以上にわたってわれわれの国境に近づいてきている」と述べ、反発しました。