ロシアがショッピングセンター攻撃 国連安保理 緊急会合開催へ

ロシア軍から攻撃を受けたウクライナ中部のショッピングセンターでは、これまでに18人の死亡が確認され、59人がけがをしました。
事態を重く見た国連の安全保障理事会は日本時間のあす29日午前に緊急会合を開くことを決め、市民に対する攻撃だとして、欧米のメンバー国が改めてロシアを厳しく非難することになりそうです。

ウクライナでは27日、中部ポルタワ州のクレメンチュクにあるショッピングセンターがロシア軍から攻撃を受けました。

現地からの映像では、建物が激しく燃え、大量の黒煙が立ち上っているほか、けがをした人たちが病院で手当てを受けている様子が確認できます。

このうち、頭などにけがをした45歳の男性は「やけどをしたり、血まみれになったりした人を大勢見ました。地獄のようでした」などと話しています。

ウクライナの非常事態庁によりますと、これまでに18人の死亡が確認され、59人がけがをしたということです。

この攻撃について、ウクライナ空軍は27日、ロシアの首都モスクワの南西にあるカルーガ州を飛び立った爆撃機、ツポレフ22M3が、ウクライナと国境を接するロシア西部クルスク州の上空から発射したミサイルによるものだったと発表しました。

一方、ロシア国防省は28日、欧米側からウクライナに送られた武器や弾薬が保管された倉庫を攻撃した結果、弾薬が爆発し、隣接するショッピングセンターで火災が発生したと説明しました。

しかし事態を重く見た国連の安全保障理事会は、28日午後、日本時間の29日午前に緊急会合を開くことを決めました。

6月の議長国、アルバニアのジャチカ外相は27日、自身のツイッターに「ウクライナのショッピングセンターに対するロシアの攻撃は、罪のない市民に対するロシアの戦争犯罪の一つだ。状況の重大さから安保理議長国として緊急会合を開催する」と投稿しました。

緊急会合では、市民に対する攻撃だとして、欧米のメンバー国が改めてロシアを厳しく非難することになりそうです。

アメリカ国防総省の高官は、ウクライナ情勢をめぐってドイツでG7サミット=主要7か国首脳会議が開かれる中、ロシア軍によるミサイル攻撃が激化しているという見方を示しています。