ロシア軍攻撃 商業施設で75人死傷 ウクライナは厳しく非難

ロシア軍は27日、ウクライナ各地に相次いで攻撃を行い、中部のポルタワ州ではショッピングセンターがミサイル攻撃を受け、少なくとも16人が死亡、59人がけがをしました。ウクライナのゼレンスキー大統領は「ヨーロッパの歴史上、最も挑発的なテロ行為のひとつだ」として、ロシア側を厳しく非難しました。

ウクライナの非常事態庁によりますと、27日、中部のポルタワ州のクレメンチュクで、ショッピングセンターがロシアによるミサイル攻撃を受け、これまでに少なくとも16人が死亡、59人がけがをしたということです。

現地からの映像では、建物が激しく燃え、大量の黒煙が立ち上っているほか、消防隊などが消火活動を行うとともに、重機を使ってがれきを取り除きながら捜索する様子が確認できます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、新たな動画を公開し、ショッピングセンターでは、防空警報を受けて中にいたおよそ1000人のうち、多くの人が避難したものの、当時まだ残っていた人たちがいて、犠牲者の数ははっきりしていないと明らかにしました。

そして「ロシアによるショッピングセンターへの攻撃は、ヨーロッパの歴史上、最も挑発的なテロ行為のひとつだ」と述べたうえで「このような対象にミサイル攻撃ができるのは、完全に常軌を逸したテロリストだけだ。これは誤爆ではなく、計算された攻撃だ」として、ロシア側を厳しく非難しました。

一方、G7=主要7か国の首脳は27日、声明を発表し「攻撃は言語道断だ」としたうえで「市民に対する無差別な攻撃は戦争犯罪だ。プーチン大統領は責任を問われることになる」と強調しました。

また、国連の安全保障理事会は、今回の攻撃を受けて対応を協議する緊急会合を、28日午後、日本時間の29日午前に開くことになりました。

ウクライナでは27日、ポルタワ州以外でもロシア軍による攻撃が相次ぎ、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官によりますと、第2の都市、東部ハルキウの2つの地区が砲撃を受け、5人が死亡、22人がけがをしたということです。

また、東部ルハンシク州のハイダイ知事は、州内でウクライナ側の最後の拠点とされるリシチャンシクで、ロシア軍のロケット砲による攻撃があり、8人が死亡、20人以上がけがをしたとしています。

こうした中、アメリカ国防総省の高官は27日、記者団に対し、ウクライナでここ数日、ロシア軍によるミサイル攻撃が激化しているという認識を示しました。

その理由については、ドイツで開かれているG7サミット=主要7か国首脳会議や、アメリカが供与した高機動ロケット砲システム=ハイマースがウクライナに到着したことに反発した可能性があるとする見方を示しています。