G7 ゼレンスキー大統領とロシアの軍事侵攻めぐって意見交換

ドイツで開かれているG7サミット=主要7か国首脳会議は、27日、2日目の議論が始まり、各国の首脳は、オンラインで出席したゼレンスキー大統領とともにロシアによるウクライナへの軍事侵攻を巡って意見を交わしました。このあと、G7の首脳は声明を発表し、ロシアへのさらなる圧力の強化とウクライナへの迅速な兵器の供与に取り組む方針を強調しました。

ドイツ南部エルマウで開かれているG7サミットは、27日、2日目の議論が始まり、各国の首脳は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を巡って意見を交わしました。

協議は、冒頭のみが公開され、ウクライナのゼレンスキー大統領もオンラインで出席しました。

ロシアによる軍事侵攻が4か月を過ぎて長期化する中、各国の首脳はゼレンスキー大統領とともにロシアへの圧力の強化について意見を交わしたと見られます。

このあと、G7の首脳はウクライナへの支援を巡る声明を発表しました。

声明では、ロシアへの制裁について「ロシアの収入を減少させることを決意する」として、金の輸入禁止などを通じてロシアの収入を減らし、圧力を強化するとしています。

また「ウクライナ側の兵器に関する緊急の要求を満たすため連携した取り組みを続ける」として、ウクライナ側が求める迅速な兵器の供与を進める方針を示しています。

また「世界的に食料安全保障への脅威が高まっていることにロシアは責任を負う」として、国際社会で高まる食料危機への懸念についてロシアを非難するとともに、ウクライナ国内で滞っている大量の穀物の輸出を支援するとしています。

27日には、この食料危機への対応についても協議が行われ、深刻な影響が懸念されている中東やアフリカの国々への支援策などについても話し合われるものとみられます。

G7サミットは28日まで行われ、各国の首脳がロシアへの圧力を強めるためどのような具体策で最終的に一致するのかが焦点です。

ロシア産石油の上限価格設定へ

アメリカのバイデン政権の高官は27日、記者団に対し「G7=主要7か国の首脳たちはロシア産の石油に上限価格を設定するための仕組みをつくるため、関係省庁に指示を出す方向で最終調整をしている」と述べ、G7の首脳がロシア産の石油の取引価格に上限を設定することで近く合意する見通しだと明らかにしました。

そのねらいについてこの高官は「ロシアの石油価格を強制的に引き下げ、プーチン氏の主な資金源を断ち、G7やほかの国々への影響を最小限に抑えることだ」と述べ、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアへの圧力強化と、高騰するエネルギー価格の抑制の2つがあると強調しました。

欧米メディアによりますと、G7で検討されているのは価格の上限設定に同意した場合に限り、ロシア産の石油を運ぶ船舶への保険の提供を認め事実上、輸入を容認するという仕組みです。

G7は先月開いたオンラインの首脳会議でロシアからの石油の輸入を段階的、もしくは即時に禁止することで一致しましたが、原油価格の高騰で制裁の効果が十分でないという指摘が上がっていたことから、今回、石油の取引価格に上限を設定することで合意する見通しとなりました。