政府 28日も「電力需給ひっ迫注意報」継続 東電管内“節電を”

厳しい暑さが続いている影響で東京電力の管内では28日の電力需給が引き続き厳しくなる見通しだとして政府は「電力需給ひっ迫注意報」を継続することを発表しました。熱中症に十分注意して冷房などを適切に使用しながら、できるかぎりの節電を求めています。

関東地方では27日も厳しい暑さとなり、冷房の使用など電力需要が増えました。

政府は東京電力の管内に初めて「電力需給ひっ迫注意報」を発令しました。

東京電力によりますと、27日は需要面では午後5時時点で想定に比べて20万キロワット程度電力需要が少なくなったということです。節電の効果が一定程度あったものとみられています。

一方、供給面では太陽光発電が予想より多く発電できたほか、ほかの電力会社からの電力融通などによっておよそ280万キロワット供給が増えたということで、こうしたことからひっ迫は回避されたとしています。

暑さは28日も続き、需給は厳しい見込みとなっていることから政府は28日も東京電力の管内で「電力需給ひっ迫注意報」を継続することを発表しました。

さらに気温が上昇したり、突発的な電源トラブルが生じたりすれば電力需給ひっ迫警報を発令する可能性があるとしています。

28日も午後3時から午後6時まで、特に午後4時から午後5時の時間帯は電力需給が厳しいとして熱中症に十分注意し、冷房などを適切に使用しながら、できる限りの節電を求めています。

また北海道電力、東北電力、それに東京電力の管内では29日についても電力需給が厳しい可能性があることから、3社は新たに設けられた「電力需給ひっ迫準備情報」を初めて出しました。

家庭や企業に対して、節電の準備を進めるよう求めています。

27日の電力ひっ迫は回避 28日も節電呼びかけ

政府は27日、東京電力管内の家庭や企業に午後3時から午後6時まで、特に午後4時から午後5時の時間帯は電力需給が厳しくなるとして、できるかぎりの節電を求めました。

東京電力によりますと、需要面では午後5時時点で想定の電力需要に比べて20万キロワット程度需要が少なくなったということです。
節電の効果が一定程度あったものとみられています。
一方、供給面では太陽光発電が予想より多く発電できたほか、ほかの電力会社からの電力融通などによっておよそ280万キロワット供給が増えたということです。

この結果、電力の供給力に対する需要の割合を示す「使用率」は実績値で、▽午後3時から午後4時が89%、▽午後4時から午後5時が91%となるなど電力のひっ迫は回避されたということです。
午後5時前から記者会見を開いた電力基盤整備課の小川要課長は「需要が当初の見込みよりも少し抑えられ供給も少し増えたため今は危ない状況はなくなりつつある。ただ、あすも夕方を中心に予備率が5%を下回る見込みとなっているので暑い時間帯には適切に冷房を活用するなど熱中症に十分注意しながらできるかぎりの節電をお願いしたい」と述べました。

27日 東京電力管内「使用率」推移は

電力の供給力に対する需要の割合を示す「使用率」の推移です。

東京電力によりますと管内では実績値で
▽午前8時から午前9時が94%、
▽午前9時から午前10時が96%、
▽午前10時から午前11時も96%、
▽午前11時から正午が93%、
▽正午から午後1時が92%、
▽午後1時から午後2時が92%、
▽午後2時から午後3時が90%、
▽午後3時から午後4時が89%、
▽午後4時から午後5時が91%となりました。

私たちにできることは

政府は東京電力の管内に初めて「電力需給ひっ迫注意報」を発令し、27日に続き、28日も家庭や企業に対して冷房を適切に使用しながらできるかぎりの節電を求めています。
私たちにできることはどのようなものなのでしょうか。

資源エネルギー庁によりますと、夏に家庭で電力消費が多い家電製品の割合は
▽エアコンがトップで34.2%、
▽次いで冷蔵庫が17.8%、
▽照明が9.6%となっていて、
この3つで全体の6割を占めています。

このため、資源エネルギー庁は節電の効果を十分に発揮するためには、エアコンと冷蔵庫、そして照明の使い方を工夫することが大きなポイントだとしています。

エアコンの使い方のポイント

具体的には、エアコンでは
▽ドアや窓の開閉を少なくすること
▽扇風機を併用すること
▽室外機のまわりに物を置かないことなどをあげています。

冷蔵庫の使い方のポイント

冷蔵庫では
▽麦茶やカレーなど温かいものはさましてから入れること
▽開ける回数を少なくすること
▽壁から適切な間隔で設置することなどをあげています。

そして、▽冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」にすることで節電ができるとしています。

照明の使い方のポイント

照明では、
▽点灯時間を短くすること、
▽白熱電球を蛍光灯のランプに変えることや
▽LEDのランプに変えることで省エネになるとしています。

資源エネルギー庁は「日常生活に支障がない範囲で節電に協力してほしい」と呼びかけています。

自家発電の出力引き上げ 東京電力に供給する会社も

電力需給ひっ迫注意報の発令を受けて、大手鉄鋼メーカーや製紙会社では、自家発電設備の出力を引き上げ、東京電力に供給するとしています。

このうち▽日本製鉄は、千葉県君津市と茨城県鹿嶋市の製鉄所にある発電設備の出力をできるかぎり増やし、東京電力に供給することにしています。

また▽JFEスチールも千葉市と川崎市の製鉄所にある自家発電を稼働させ、東京電力に供給するとしています。

製紙メーカーでは、▽日本製紙が東京電力から要請があり次第、埼玉県草加市と栃木県足利市の工場にある自家発電を稼働して供給するほか、▽北越コーポレーションも茨城県ひたちなか市の工場のバイオマス発電などで、東京電力の要請に応じて供給するとしています。

東京電力 5つの電力会社から電力融通受ける

東京電力は管内の電力受給が厳しいことからあわせて5つの電力会社から電力融通を受けました。具体的には、▼北海道電力、▼中部電力、▼北陸電力、▼関西電力の4社から、27日午前10時半から午後8時まで、最大で91万キロワット余りの電力融通を受けました。

また、東北電力からも午後3時から午後8時までの間、最大で86万キロワット余りの電力融通を受けたということです。融通は5社であわせて最大で178万キロワット余りとなりました。

東京ディズニーランド・東京ディズニーシーも自家発電

「電力需給ひっ迫注意報」の発令を受けて、千葉県浦安市にある「東京ディズニーランド」と「東京ディズニーシー」では、27日午後3時半ごろから2つの自家発電機を稼働させて、アトラクションやパレードなどで使用する電力の一部をまかなっているということです。

また、一部の施設の冷房の温度を調整しているほか、照明を消すなどして、電力需給のひっ迫に対応しています。

老朽化の火力発電所 前倒しで運転再開へ

厳しい電力需給を受けて、東京電力と中部電力が設立した火力発電事業者・JERAは、来月1日から運転再開予定だった火力発電所を前倒しして、29日から運転を開始すると発表しました。

再開を前倒しするのは千葉県市原市にある姉崎火力発電所5号機です。
出力は60万キロワットです。

運転開始から45年がたち、老朽化が進んだためにことし3月から運転を停止していましたが、この夏の電力供給を増強するための対策として急きょ、再稼働することになっていました。

「証券の街」日本橋兜町の新たなシンボルも…

「証券の街」、日本橋兜町では節電のため、株価などが表示される大型のディスプレイが消されました。

地上15階建てのオフィスビルのロビーにある立体的な大型ディスプレイは、ふだん日経平均株価や東証株価指数=トピックスなどが表示され、証券取引所がある日本橋兜町の新たなシンボルとなっています。

しかし、政府からの節電要請があったことから、27日は午後3時から午後5時までの間、点灯を取りやめることになりました。

本来であれば株価の終値が表示されるはずの午後3時になると、ディスプレイの表示が消され、真っ黒になりました。

このディズプレイの点灯をとりやめるのは、電力需給ひっ迫警報が出されたことし3月以来だということです。

ビルに立ち寄った40代の男性は、「株価は経済の参考になる情報なので、1つの情報発信が一時的になくなるのは残念な気がします」と話していました。

ビルを運営する平和不動産の幸坂陽平さんは「きょうの株価が上がったのか下がったのか、実感してもらうためのボードだったので、寂しさはありますが、節電の象徴的なメッセージになればと考えています」と話しています。

東京スカイツリーと東京タワー ライトアップ時間短縮

電力需給ひっ迫注意報の発令を受けて、東京スカイツリーと、東京タワーは27日夜のライトアップの時間を短縮します。

このうち東京・墨田区にある東京スカイツリーは、この時期は通常、午後6時45分から深夜0時までライトアップを行っていますが、27日夜は節電のため、午後8時からの開始に遅らせるということです。

また、東京・港区の東京タワーも、通常は日没から深夜0時までのライトアップについて、27日夜は午後8時からの開始に遅らせるということです。

コンビニでも フィルター掃除など対応終われる

コンビニ各社も節電の対応に追われています。

▽コンビニ大手のファミリーマートは、今月下旬からユニフォームのポロシャツを通気性のよい素材に順次変更し、暑さを感じにくくする取り組みを始めています。

また節電のため、冷蔵庫や冷凍庫のフィルターをこまめに掃除することや、揚げ物を調理する時間以外はフライヤーと呼ばれる器具の電源を切るなど、日頃の対策を確実に行うよう改めて周知したということです。

さらに、今後も電力需給が厳しくなると予想される中、可能な店舗ではLEDを調節して照明の明るさを下げるよう呼びかけています。

ファミリーマート広報部の吉澤智さんは「ひとつひとつの対策は小さいものですが、全国の加盟店と一緒に取り組むことで節電に協力したい」と話していました。

このほか▽セブン‐イレブン・ジャパンは、節電のため揚げ物の調理や飲料の補充は電力のひっ迫が予想される時間帯を避けて行うよう、首都圏を中心としたおよそ8800店舗に周知しました。

都内の家電量販店 テレビの電源切って節電

電力需給が厳しくなる中、都内の家電量販店では、展示しているテレビの電源を切るなど、節電に取り組んでいます。

東京・新宿にある大手家電量販店のテレビ売り場には、およそ180台のテレビが展示されていますが、今月23日から節電のため2割ほどのテレビの電源を切る対応をとっています。

売り場には「節電のため通電を控えています」などと書かれた紙が掲示されていて、客がテレビの映り具合を確かめたいときはリモコンで電源をつけることができます。

このほか照明器具の売り場でも、一部の商品は電源を切って明かりがついていない状態で展示されていて、この家電量販店では全国で同様の対応を進めています。

ビックカメラ新宿東口店副店長の冨高優さんは、「お客様を第一に考え、購入に影響がない場所を優先的に消している。今後も状況を見て、要請があればできるかぎり対応したい」と話していました。