ロシアの外貨建て国債 “デフォルト”が起きた認識広がるか

5月に利払いの期限を迎えたロシアの外貨建て国債をめぐって、複数の海外メディアは支払いの猶予期間が過ぎても投資家が資金を受け取っていないと伝えました。
デフォルト=債務不履行が起きたという認識が市場で広がることが予想されます。

ロシア政府は5月27日、合わせて1億ドル、日本円でおよそ135億円のドル建てやユーロ建ての国債の利払い期限を迎え、期限までに外貨で支払い手続きをとったとしていました。

しかし複数の海外メディアは、30日間の猶予期間が過ぎても投資家が資金を受け取っていないと伝えました。

アメリカ政府が5月、自国の投資家がロシア国債の利払いなどを受け取れる特例を終了させたことが影響したとみられます。

海外メディアは「ロシアの外貨建て国債がデフォルトに陥るのは1918年以来だ」と報じていて、これによってデフォルト=債務不履行が起きたという認識が市場で広がることが予想されます。

ロシア政府は「利払いなどを行う資金も意思もある」としてきましたが、資金があるにもかかわらず経済制裁によってデフォルトに追い込まれる異例の事態となります。

デフォルトはロシアの政府や企業の資金調達の手段を狭めることになりますが、その可能性は広く予想されていたため、世界の金融市場に与える影響は限られるとみられています。

ロシア大統領府報道官 “5月に必要な支払いは行った”

これについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は27日、記者団にコメントを発表しました。

ペスコフ報道官は5月に必要な支払いは行ったとして、デフォルト=債務不履行に陥ったとする報道の内容について「同意できない」と述べ、受け入れない姿勢を示しました。

また支払った資金が投資家に届いていないのは「われわれの問題ではない」と述べ、現状をデフォルトと呼ぶ根拠はないと主張しました。