ロシア軍 セベロドネツク完全掌握 リシチャンシクの攻勢激化へ

ロシア軍は、激しい攻防が続いていたウクライナ東部ルハンシク州のセベロドネツクを完全に掌握したと発表しました。今後は、ルハンシク州の完全掌握に向け、隣接するリシチャンシクへの攻勢をさらに強めるものとみられます。

ウクライナ東部では、ロシア軍がルハンシク州の完全掌握を目指して、ウクライナ側が拠点とするセベロドネツクなどに対して、3か月以上にわたり攻勢を強めてきましたが、セベロドネツクのストリュク市長は25日「街は完全にロシア軍の支配下に置かれた」とウクライナ軍が撤退したことを認めました。

また、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官も、セベロドネツクを完全に掌握したと発表しました。

これについて、イギリス国防省は26日、ロシア軍にとってセベロドネツクの掌握は重要な戦果であるとする一方「ドンバス地域全体の掌握に向けた目標の1つでしかない」と指摘しています。

ロシア軍はルハンシク州の完全掌握に向け、川を挟んで隣接するリシチャンシクへの攻勢をさらに強めるものとみられ、地元のハイダイ知事は26日「リシチャンシクは空爆されている。敵の軍はセベロドネツクを占領したあと、ルハンシク州の最後のとりでであるリシチャンシクを占領するため全力を注いでいる」とSNSに投稿しました。

こうした中、ロシア国防省は26日、ショイグ国防相が、軍事作戦に関わる司令部などを訪問したとする映像を公開しました。

具体的な場所は明らかにされていませんが、作戦が展開されている主要な場所の状況について報告を受けたとしていて、士気を高めるねらいがあるとみられます。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、25日に公開した動画で「すべての都市を取り戻す」と述べ、掌握された都市の奪還に向けて全力を尽くす姿勢を強調していて東部を中心に激しい攻防が続く見通しです。