インフルエンザのワクチン接種を「強く推奨する」と学会が見解

南半球のオーストラリアでインフルエンザの感染が拡大していることから、日本ワクチン学会は、ことしは日本でも流行するおそれがあるとして、インフルエンザのワクチンの接種を「強く推奨する」という見解を発表しました。

この見解は、ワクチンの研究者などで作る日本ワクチン学会が、今月23日、学会のウェブサイトで公開しました。

それによりますと、国内では新型コロナウイルスの感染拡大以降、過去2年間、インフルエンザが流行しておらず、抗体を持つ人の割合が低い年齢層もみられることなどから、インフルエンザが流行した場合、死亡者や重症者が増えることや新型コロナとの同時流行で医療への負荷が大きくなることが懸念されるということです。

また、北半球の流行を予測する指標となっている南半球のオーストラリアでは、ことし3月以降、インフルエンザの感染が拡大しているということです。

このため学会では、ことしのインフルエンザワクチンの接種について、「強く推奨する」としました。

そして65歳以上の高齢者や生後6か月以上で5歳未満の乳幼児、それに妊婦や基礎疾患のある人などは特に接種を推奨するとしています。

日本ワクチン学会の岡田賢司理事長は「ことしは世界的にインフルエンザが流行するおそれがあるので、日本でも警戒レベルを上げたほうがいい」と話しています。