EU首脳会議 ウクライナとモルドバを「加盟候補国」に 全会一致

EU=ヨーロッパ連合は首脳会議で、加盟を申請しているウクライナとモルドバに交渉開始の前提となる「加盟候補国」の立場を認めることを決めました。

EUは23日、ベルギーのブリュッセルで首脳会議を開き、ロシアによる軍事侵攻が始まったことし2月に加盟を申請したウクライナとその隣国のモルドバについて、交渉開始の前提となる「加盟候補国」の立場を認めることを全会一致で決めました。

EUは急きょ、記者会見を開き、フォンデアライエン委員長は「ウクライナやモルドバの市民にとってこの大変な時期にこれ以上、希望のしるしとなるものはない。われわれのきょうの決断は、ロシアによる侵攻が続く中、ウクライナやモルドバを強くするし、EUをも強くする。外部からの脅威に対してEUが結束していることを世界に示すからだ」と述べ、合意を歓迎しました。

ウクライナをめぐってはEUの執行機関、ヨーロッパ委員会が今月17日、意見書をまとめ、「加盟候補国」として認めるよう加盟国に勧告した一方、法の支配や汚職対策などに課題があるとして、ウクライナに対応を求めました。

23日の首脳会議では、こうした課題についても確認したということです。

EUでは加盟候補国として認められても加盟に向けた交渉が直ちに始まるわけではなく、両国が実際に加盟するまでには相当な時間がかかると見られています。

ゼレンスキー大統領「ウクライナの未来はEUとともにある」と投稿

ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、ツイッターに投稿し「EUのリーダーたちの決定を心から称賛する。これはウクライナとEUの関係において、特別で歴史的な瞬間だ。ウクライナの未来はEUとともにある」としています。

ゼレンスキー大統領 新たな動画を公開「これは勝利だ」

ゼレンスキー大統領は23日、新たな動画を公開し「われわれは今、加盟候補国として認められた。これは勝利だ」と喜びを語りました。

また、ウクライナの大統領府は23日、EU=ヨーロッパ連合の首脳会議に参加した各国首脳などにゼレンスキー大統領が感謝を伝える動画を公開しました。

この中で、ゼレンスキー大統領は「ウクライナの独立から30年間で、最も重要な決定の1つだ。これはウクライナのためだけでなく、ヨーロッパを強化するための最も大きな一歩だ」としています。