機動隊員自殺 パワハラ認め賠償命令も因果関係認めず 神戸地裁

兵庫県警察本部の24歳の機動隊員が自殺したのはパワハラが原因だとして、両親が県に対して賠償を求めた裁判で、神戸地方裁判所は機動隊の先輩によるパワハラ行為を認定し、100万円の支払いを命じました。
一方、自殺との因果関係は認めませんでした。

7年前、兵庫県警の機動隊員だった木戸大地さん(当時24)が、機動隊の寮で自殺したことをめぐり、両親は先輩などからのパワハラが原因だとして、兵庫県に8000万円余りの賠償を求める訴えを起こしていました。

22日の判決で、神戸地方裁判所の久保井恵子裁判長は、先輩が月に2回から3回の程度でどなって叱責し、木戸さんが書類でミスをした部分に「ボケ木戸」と書いた付箋を貼ったことなどについて「指導の域を超え、パワハラ行為に当たり違法だ」と判断し、100万円を支払うよう県に命じました。

一方で「木戸さんは亡くなる3か月前にうつ病を発症したと認められるものの、先輩のパワハラ行為は人格を否定するようなものとまではいえない」などとして、うつ病の発症やその後の自殺との因果関係は認めませんでした。

父親「納得いかない判決 兵庫県警はやったことを認めてほしい」

木戸大地さんの父親の一仁さんは、自殺の2か月後に兵庫県警から4枚の調査報告書を受け取りましたが、ほとんどが黒塗りの状態でした。

機動隊の上司や同僚など128人の聞き取りの結果、自殺の原因は分からない、とした結論に不審を抱き裁判を起こしました。

判決のあと一仁さんは神戸市内で会見を開き「判決はあまりにも納得いかず、胸が張り裂ける思いです。大地には『いい報告ができずごめんな。だけど、県警の黒塗りの報告書からここまで来たから、あと少し頑張るよ』と伝えたいです。兵庫県警には、自分たちがやってきたことをちゃんと認めてほしいです」と述べました。

また、原告側の市川守弘弁護士は「パワハラとうつ病の因果関係が認められないとしたら、発症は仕事とは関係のない個人的な事情によるということになります。今まで提出した証拠からすると、パワハラで追い込まれた以外には考えられず、判決は非常に不服であり控訴します」と述べました。

兵庫県警「判決内容検討し対応決めたい」

兵庫県警察本部の福田充宏監察官室長は「判決内容を検討し、関係機関と協議の上、今後の対応を決めたい」とコメントしています。