リトアニア ロシア~カリーニングラード間の鉄道貨物輸送制限

バルト3国の1つ、リトアニアは、ロシアと、その飛び地のカリーニングラードを結ぶ鉄道貨物輸送の制限を始めました。
一方、ロシア側は対抗措置も辞さないと強く反発していて、EU=ヨーロッパ連合とロシアの間で緊張がさらに高まることが懸念されます。

ロイター通信などによりますと、バルト3国の1つでNATO=北大西洋条約機構に加盟しているリトアニアは、EUの制裁対象の貨物を積んだ列車について、ロシア本土からカリーニングラードへの乗り入れを禁止すると発表しました。

カリーニングラードは、リトアニアとポーランドに囲まれた、ロシアで最も西に位置する、いわゆる「飛び地」で、リトアニアを経由しなければ、列車でロシアから荷物を搬入することはできません。

これに対してカリーニングラードのアリハノフ知事は、対象となるのは石炭や金属、建設資材などで、運ばれる貨物の最大50%が影響を受ける可能性があると反発しています。

また、ロシア政府も強く反発していて、大統領府のペスコフ報道官は20日、記者団に対し「前例がなく、違法だ」と述べ、ロシア外務省はリトアニア大使館の代表者に抗議を行うとともに、対抗措置も辞さない考えを示唆しました。

一方、AP通信などによりますと、リトアニア政府はEUの制裁に沿った措置だとしていて、EUのボレル上級代表も20日「封鎖ではない。商品の輸送は続いている」としています。

ロシア当局はバルト海を経由した海上輸送などを強化する方針ですが、EU=ヨーロッパ連合とロシアの間で緊張がさらに高まることが懸念されます。

“黒海海上の要衝”めぐり 激しい攻防続く

ウクライナ軍は21日、ロシア軍がことし2月に占拠した、黒海の島、ズミイヌイ島について「さまざまな方法で攻撃を加え甚大な被害を与えた」とSNSに投稿しました。

ズミイヌイ島はウクライナ南部の南部オデーサ州の沖合の島で、ロシア軍が攻撃の拠点の1つとしている、海上の戦略的な要衝です。

人工衛星を運用するアメリカの企業「マクサー・テクノロジーズ」は22日、ズミイヌイ島を今月17日と21日に撮影した衛星画像を公開しました。

21日に撮影された衛星写真には、島の北部や中部、そして南部の3か所で地面が黒く焦げたような跡が確認できます。

17日に撮影された衛星写真には、地面が黒く焦げたような跡は確認されないため、この期間にウクライナ軍による攻撃があったものとみられます。

また、イギリス国防省は21日、ウクライナ軍が欧米から供与された対艦ミサイルで、ズミイヌイ島に武器などを運搬していたロシア軍のタグボート1隻への攻撃に成功したと発表しています。

黒海海上の要衝をめぐり、ロシア軍とウクライナ軍との間で激しい攻防が続いています。