大谷最高裁長官が退官会見「『国民に身近な司法』へ努力を」

定年退官する最高裁判所の大谷直人長官が記者会見し、新型コロナの感染が広がる中で司法の機能をどう維持するか対応を迫られたことなどを振り返りました。

最高裁判所の大谷直人長官(69)は、7年前の2015年に最高裁の裁判官になり、2018年から4年余り長官を務めました。

海外に住む日本人が国民審査に投票できないことを憲法違反とした判決や、夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲とした判断など、大法廷の裁判長として8件の判決や決定を言い渡したほか、司法行政のトップとして民事裁判手続きのIT化などを進めました。

会見で大谷長官は印象深い出来事として新型コロナ対応を挙げ、「感染拡大防止と、司法の機能の適切な維持をどのように図るべきか、経験したことのない対応が求められた」と振り返りました。

そのうえで、「感染症の拡大をひとつの契機として、裁判手続きのデジタル化の取り組みが加速することになった。民事裁判のIT化は法律も成立し、利用しやすい司法に向かって具体的に前進すると思う」と述べました。

また、今後への期待として、「裁判所に持ち込まれる紛争だけを見ていていいのか。裁判官や職員が地域の実情やその変化を的確にキャッチするアンテナの感度を高め、『国民に身近な司法』に向けた努力を続けることが必要だ」と話していました。

後任には最高裁の戸倉三郎裁判官が就任します。