“ウクライナの穀物輸出妨げはロシアの戦争犯罪” EU上級代表

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で、食料危機への懸念が高まる中、EU=ヨーロッパ連合のボレル上級代表は、ロシアがウクライナの穀物の輸出を妨げているのは「戦争犯罪だ」として、強く非難しました。

EUは20日、ルクセンブルクで外相会議を開き、世界中で懸念が高まっている食料危機などについて意見を交わしました。

EUの外相にあたるボレル上級代表は会議の前、記者団に対し「世界の人々が飢えで苦しんでいるときに、ウクライナで何百万トンもの小麦が輸出を妨げられているのは、信じられないことだ。これは真の戦争犯罪だ」と述べました。

また、会議のあとの記者会見でも「ロシアがウクライナの輸出を妨げている。ロシアだ。われわれではない。ロシアだ」などと、何度もロシアを名指しして非難しました。

ロシアは、食料安全保障が脅かされている責任は欧米の制裁にあるとする主張を繰り返していて、アフリカの一部の国からも、ロシアへの制裁が穀物の供給に悪影響を与えているという声が上がっています。

ボレル上級代表は、アフリカのすべての国の外相に書簡を送り、EUの制裁はアフリカでの食料危機につながるものではないなどと説明したことを明らかにしました。

ボレル上級代表は、ロシアとの間で情報戦が行われているという認識を示し、加盟国の外相にも、EUの立場について積極的な情報発信を求めたとしています。