香港の最後の総督「中国の不誠実な対応を非難し続けるべき」

香港が中国に返還されて、7月1日で25年になるのを前に、イギリス統治時代、香港の最後の総督を務めたクリス・パッテン氏が、NHKのインタビューに応じ「中国の香港への不誠実な対応を、われわれは非難し続けるべきだ」と訴えました。

ロンドンでNHKのインタビューに応じたパッテン氏は、香港が今、置かれている状況について、25年前の返還の際には予見できなかったとして「返還された1997年には、中国共産党が約束を守り、香港に高度な自治権を与え、法の支配のもとで自由を守り続けてくれると思っていた。しかし、習近平国家主席が党のトップになったことで変わってしまった。事態は悪化している」と述べました。

そして、旧宗主国としてのイギリスの立場について「中国の香港への不誠実な対応を、われわれは非難し続けるべきだ」と訴えました。

さらに、イギリス政府が返還前の香港で生まれたイギリスの「海外市民」の資格がある人などを対象に発給している特別ビザについて、返還後に生まれた若い世代も利用できるようにすることが重要だとの考えを示しました。