中国 ロシア産原油やLNGの輸入量 前年同月比50％余の大幅増加

ロシアに対して欧米などが経済制裁を強化する中、中国が先月、ロシアから輸入した原油やLNG＝液化天然ガスは去年の同じ月と比べて、ともに50％余りと大幅に増加しました。

中国の税関総署が21日までに公表した統計によりますと、先月のロシアからの原油の輸入量は841万トン余りと、去年の同じ月と比べて54.8％の大幅な増加となりました。

また、LNGのロシアからの輸入量は39万トン余りと、54.3％増加しました。

原油の輸入量については、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まった直後のことし3月はマイナスでしたが、中国経済の専門家は「先月はロシア産の価格が値下がりする中で中国企業が買い増す動きがあったのではないか」と指摘しています。

中国はロシアへの制裁に反対し、貿易をこれまでどおり続ける考えを示していて、ロシアからの輸入額全体でも先月は102億ドル余りと79％余り増加し、過去5年で最大になっています。

一方、先月のロシアへの輸出額は8％余り減少しています。

ロシアに製品を輸出することで中国企業が欧米などからの制裁の対象となることを避けようとしているなどとみられていて、こうした中で、中国による原油やLNGの輸入量の増加傾向が続くかが焦点となります。

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「ロシアにとって石油輸出は重要な外貨獲得手段であり、わが国もロシア産石油の原則禁輸措置をとることとしている。制裁の抜け道が生じないよう、G7＝主要7か国をはじめとする国際社会と緊密に連携し、ロシアへの外交的、経済的圧力を一層強め、中国への働きかけを含め、適切に対応していく」と述べました。