ウクライナ議会 ロシアの出版物の輸入など禁止する法案を可決

ロシアの軍事侵攻が続くウクライナでは、東部ルハンシク州のウクライナ側の拠点セベロドネツクをめぐり激しい攻防が続いています。
こうした中、ウクライナの議会はロシアの出版物の輸入などを禁止する法案を可決し、ロシアの影響力を排除するねらいがあると見られます。

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアの国防省は20日、東部ルハンシク州とドネツク州でウクライナ軍の部隊や兵器などを攻撃したほか、南部オデーサ州では飛行場をミサイルで攻撃し、無人機を破壊したなどと発表しました。

このうち、完全掌握を目指すルハンシク州では、ウクライナ側の拠点となっているセベロドネツク郊外の集落を、現地の親ロシア派勢力とともに掌握したとしています。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、19日に発表した分析で「セベロドネツク市内の支配に向けた作戦は、19日はほとんど成果をあげられなかった。ロシア軍が前進するには歩兵部隊などの戦力が不十分だ」と指摘し、セベロドネツクをめぐり一進一退の攻防が続いていると見られます。

こうした中、ウクライナの議会に当たる「最高会議」は19日、ロシアやベラルーシからの出版物の輸入を禁止する法案や、ロシア人の歌手などの音楽を公共の場で演奏したり、流したりすることを禁止する法案を相次いで可決しました。

今後、ゼレンスキー大統領の署名をへて成立する見通しです。

一連の動きは、ウクライナにおける反ロシア感情の高まりを反映し、ロシアの影響力を排除するねらいがあると見られます。

一方、ロシアのプーチン政権は、ゼレンスキー政権がロシア系住民を迫害していると主張し、今回の軍事侵攻を正当化していて、こうしたウクライナ側の動きに対し一層、強硬な姿勢を示す可能性もあります。