東部の攻防 ゼレンスキー大統領 “部隊は踏みとどまっている”

ロシア国防省は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握を目指す中、ウクライナ側の州内の拠点となっているセベロドネツクについて、郊外の集落を掌握したと発表しました。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領はセベロドネツクなどでウクライナ軍の部隊が踏みとどまっていると強調し、東部を中心に激しい攻防が続いているものとみられます。

ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握に向けて、ウクライナ側の州内の拠点となっているセベロドネツクを包囲しようと攻撃を続けていて、ロシア国防省は19日、ルハンシク州の親ロシア派勢力とともに、セベロドネツク郊外の集落を掌握したと発表しました。

また、ロシア軍は、東部ハルキウ州にあるウクライナ軍の戦車の整備施設を短距離弾道ミサイルの「イスカンデル」で攻撃したほか、東部ドニプロペトロウシク州ではウクライナ軍の施設を巡航ミサイル「カリブル」で攻撃し、ウクライナ軍の将校など50人以上を殺害したなどと発表しました。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は19日に動画を公開し「ドンバス地域では激しい戦いが続いている。ロシア軍はそこで最も多くの大砲を使っている」と述べたうえで、セベロドネツクや隣接するリシチャンシクなどでウクライナ軍の部隊が踏みとどまっていると強調しました。

さらに「侵略者はハルキウ方面やザポリージャ州にも兵力を集中している。彼らは燃料のインフラ施設を攻撃し燃料事情を悪化させようとしている」と指摘し、東部ハルキウ州や南東部ザポリージャ州でロシア軍が戦力を集中しているという見方を示しました。

また、EU=ヨーロッパ連合の執行機関、ヨーロッパ委員会がウクライナの「加盟候補国」としての立場を認めるよう加盟国に勧告し、今週、首脳会議で協議される見通しであることを念頭に「われわれはロシアの敵対的な行動がウクライナだけでなく、ほかのヨーロッパの国々に対しても、まさに今週強まると予想すべきだ」として、ロシアからの圧力に警戒を呼びかけました。