ロシア軍 東部で攻勢強める ゼレンスキー大統領は南部で激励

ウクライナに侵攻を続けるロシア軍は東部ルハンシク州の完全掌握を目指して攻勢を強めています。
一方、ゼレンスキー大統領は南部オデーサ州など各地を相次いで訪れて関係者を激励し、徹底抗戦する姿勢を改めて示しました。

ロシア軍は完全掌握を目指す東部ルハンシク州で、ウクライナ側の拠点セベロドネツクの包囲に向けて攻勢を強め、ロシア国防省は18日、セベロドネツクに隣接するリシチャンシクの地域などを攻撃し、燃料施設や石油精製所を破壊したと発表しました。

セベロドネツクの「アゾト化学工場」には、ウクライナ側の兵士とともに市民も取り残されていますが、ロシア側は市民を避難させる「人道回廊」の設置を主張する一方、兵士に投降を迫っていて、ロシア側の部隊の一部はすでに工場内に入り、戦闘が行われているとしています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は17日、「ロシア軍はセベロドネツクとリシチャンシクの一帯で部隊の展開を続けているが、ウクライナ側は依然として強固に防衛している」と指摘し一進一退の攻防が続いているとみられます。

こうしたなか、ロシアのプーチン大統領は18日、医療関係者の会合にオンラインで出席し「特別な軍事作戦に参加し、戦友の命を救ったあなた方に感謝する」とねぎらいました。

一方、ウクライナ大統領府は18日、ゼレンスキー大統領が南部ミコライウ州を訪問した映像を公開しました。

ウクライナ大統領府によりますと、ゼレンスキー大統領は南部オデーサ州を訪れ、建物の被害状況などについて説明を受けたほか、兵士たちを激励したということです。

また、南部ミコライウ州ではロシア軍の攻撃で破壊された州の行政庁舎を視察し、南部に面する黒海を含む現地の戦況について報告を受けたほか、現地の病院を訪れて医療関係者の貢献に対して感謝を述べ、勲章を授与しました。

地元メディアなどによりますと、軍事侵攻が始まってから、ゼレンスキー大統領がミコライウ州を訪れるのは初めてで、ロシア軍に対し徹底抗戦する姿勢を改めて示した形です。