東部の州に集団墓地か プーチン大統領“目標は達成される”

ロシア軍が攻勢を強めるウクライナ東部ルハンシク州のリシチャンシクでは、空爆で少なくとも3人が死亡したほか、集団墓地に民間人を含む大勢の犠牲者が埋葬されているとみられています。一方、ロシアのプーチン大統領は「特別軍事作戦のすべての目標は確実に達成されるだろう」と述べ、一定の戦果を得るまで攻撃をやめる考えはないと強調しました。

ウクライナの公共放送は17日、東部ルハンシク州のハイダイ知事の話として、激戦地となっているセベロドネツクに隣接するリシチャンシクで、ロシア軍が空爆を行い、少なくとも3人が死亡し、複数のけが人が出ていると伝えました。

また、ハイダイ知事はSNSへの投稿で、リシチャンシクと近郊の都市とを結ぶ幹線道路がロシア軍によって破壊されるなど重要なインフラへの攻撃も続いているとしています。

こうした中、16日付けのアメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは、リシチャンシクで、集団墓地に大勢の犠牲者が埋葬されていると伝えました。

それによりますと、埋葬されているのは、リシチャンシクに加えセベロドネツクなどから運ばれた遺体で、兵士のほか、砲撃に巻き込まれて亡くなった民間人が含まれるとみられるということです。

また、現地のウクライナ軍は取材に対し「4月以降に亡くなった人たちをわれわれが埋葬した」としたうえで、その数はこれまでにおよそ300人に上ると話しているとしています。
一方、ロシアのプーチン大統領は17日、サンクトペテルブルクでの国際経済会議で演説し「特別軍事作戦のすべての目標は確実に達成されるだろう」と述べ、一定の戦果を得るまで攻撃をやめる考えはないと強調しました。

ただ、EU=ヨーロッパ連合の執行機関、ヨーロッパ委員会が、ウクライナについて、交渉開始の前提となる「加盟候補国」の立場を認めるよう加盟国に勧告したことをめぐって、プーチン大統領は「EUは、NATO=北大西洋条約機構と異なり、軍事的な組織ではない」と述べ、反対しないとする立場を示しました。