新型コロナ新規感染者 全国で減少傾向も 7県は前週より増加

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では1か月以上緩やかな減少傾向が続いていますが、東北や九州の一部など7つの県では前の週より多くなっています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

大型連休のあとまでは増加していましたが、
▽5月19日までの1週間では、前の週に比べて0.97倍
▽5月26日は0.87倍
▽6月2日は0.68倍
▽6月9日は0.75倍
▽6月16日まででは0.87倍と、
5週連続で前の週を下回っています。

1日当たりの平均の新規感染者数は、およそ1万4234人となっています。

新規感染者数は、東京都や大阪府など人口の多い地域も含め、40都道府県で横ばいから減少になっている一方で、九州や東北の一部など、7つの県では前の週より多くなっています。

沖縄県

▽6月2日までの1週間は、前の週の0.72倍
▽6月9日は0.97倍
▽6月16日まででは0.98倍と、
4週連続で前の週より少なくなっています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ1227人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は585.15人と、全国で最も多い状態が続いています。

1都3県

【東京都】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.69倍
▽6月9日は0.78倍
▽6月16日まででは0.89倍と、
5週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ1571人となっています。

【神奈川県】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.70倍
▽6月9日は0.72倍
▽6月16日まででは0.84倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は、およそ717人となっています。

【埼玉県】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.76倍
▽6月9日は0.70倍
▽6月16日まででは0.95倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は、およそ567人となっています。

【千葉県】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.70倍
▽6月9日も0.70倍
▽6月16日まででは0.97倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は424人となっています。

関西

【大阪府】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.68倍
▽6月9日は0.78倍
▽6月16日まででは0.85倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は、およそ1163人となっています。

【京都府】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.61倍
▽6月9日は0.66倍
▽6月16日まででは0.92倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は、およそ294人となっています。

【兵庫県】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.67倍
▽6月9日は0.78倍
▽6月16日まででは0.82倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は569人となっています。

東海

【愛知県】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.69倍
▽6月9日は0.74倍
▽6月16日まででは0.79倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ807人となっています。

【岐阜県】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.82倍
▽6月9日は0.79倍
▽6月16日まででは0.70倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は、およそ241人となっています。

【三重県】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.70倍、
▽6月9日は0.67倍
▽6月16日まででは0.82倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は、およそ140人となっています。

その他の地域

【北海道】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.63倍
▽6月9日は0.74倍
▽6月16日まででは0.88倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は、およそ807人となっています。

【宮城県】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.73倍
▽6月9日は0.80倍
▽6月16日まででは1.06倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は、およそ264人となっています。

【広島県】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.59倍
▽6月9日は0.76倍
▽6月16日まででは0.81倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は384人となっています。

【福岡県】
▽6月2日までの1週間は、前の週の0.68倍
▽6月9日も0.68倍
▽6月16日まででは0.81倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は664人となっています。

このほか、6月16日までの1週間で、
【青森県】前の週の1.04倍
【秋田県】前の週の1.09倍
【富山県】前の週の1.17倍
【高知県】前の週の1.11倍
【佐賀県】前の週の1.23倍
【熊本県】前の週の1.13倍と、
前の週より多くなっています。

専門家 “この状態をいかに長く維持できるかが大事”

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況について「感染者数は減少傾向だが、下げ止まりが見えてきている状況だ。まだ多くの感染者が出ているが、医療現場のひっ迫は見られず、重症患者はかなり少ないので、この状態をいかに長く維持できるかが大事だ」と話しています。

そのうえで舘田教授は「海外ではオミクロン株の『BA.4』など、複数の変異ウイルスの拡大が報告されていて、水際対策の緩和によって多く持ち込まれるおそれがある。7月から8月にかけては、夏休みやお盆で人の動きも活発になるうえ、3回目の接種の効果も弱まってくる。こういった要因が重なって、次の波が作られるリスクが高くなると考えなければならないと思う。マスクの着用、定期的な換気、飲食の際は少人数、短時間で済ませるなど、いままでの対策を維持しつつ、海外から来る人にも日本のやり方を理解して守ってもらうことが大事だ」と話しています。