ゼレンスキー大統領 ロシア対抗でEU加盟実現の考え強調

ロシア軍は、東部ルハンシク州のウクライナ側の拠点に攻撃を続けていて、現地の部隊や市民は困難な状況に陥っているとみられています。
こうした中、ゼレンスキー大統領はEU=ヨーロッパ連合への加盟について、メンバー4か国の首脳から支持を得たと述べ、ロシアに対抗するためEU加盟を実現する考えを強調しました。

ウクライナへの侵攻を続けるロシアの国防省は16日も各地をミサイルで攻撃し、東部のハルキウ州やドネツク州でウクライナ軍の関連施設などを破壊したと発表しました。

またロシア軍は、東部ルハンシク州のウクライナ側の拠点となっているセベロドネツクを包囲しようと攻撃を続けていて、戦況を分析しているイギリス国防省は16日、セベロドネツクに残されたウクライナ軍の部隊や市民は非常に困難な状況に陥っていると指摘しました。

また、ロシア国営のタス通信は16日に南部ヘルソン州でロシア側が擁立した親ロシア派勢力の幹部の話として2月の軍事侵攻以降に、州内で生まれた子どもにはロシアの市民権が与えられるだろうと伝え、ロシアは掌握した地域で支配の既成事実化を進めているとみられます。

こうした中、16日には、フランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相、イタリアのドラギ首相がそろって首都キーウなどを訪れ、ルーマニアのヨハニス大統領とともにゼレンスキー大統領と会談しました。

これを受けてゼレンスキー大統領は動画を公開し「きょうは歴史的な日だ。ウクライナは、ヨーロッパの4つの強力な国々から一度に支持されたことを実感した」と述べ、EU=ヨーロッパ連合への加盟について訪れた首脳全員から支持を得たと強調しました。

そして「われわれはウクライナの完全な安全と領土の保全が保証されるまで戦い続けるだろう」などと、徹底抗戦を続ける姿勢を示したうえで、ロシアに対抗するためEU加盟を実現する考えを強調しました。