政府 内閣感染症危機管理庁の設置決定 対策の司令塔機能を強化

政府は、17日総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部を開き、内閣官房に「内閣感染症危機管理庁」を設置することや、アメリカのCDC=疾病対策センターの日本版を創設することなどを盛り込んだ感染症対応の抜本的な強化策を決定しました。

それによりますと、感染症対策の司令塔機能を強化するため、内閣官房に「内閣感染症危機管理庁」を設置するとともに、厚生労働省の関係する各部署を統合して省内に「感染症対策部」をつくるとしています。

また、専門的な知見を速やかに政策に反映させるため、基礎研究などを行う「国立感染症研究所」と臨床医療を行う「国立国際医療研究センター」を統合し、アメリカのCDC=疾病対策センターの日本版を創設するとしています。

さらに、必要な医療提供体制を確保するために国と地方が病床の確保などでより強い権限を持てるよう法整備を行うほか、地域の拠点病院に都道府県と協定を締結する義務を課すことなども盛り込んでいます。

岸田総理大臣は「平時の機能強化を図ったうえで、有事には『内閣感染症危機管理庁』の指揮下において総理大臣のリーダーシップのもと、一元的に感染症対策を行う。各大臣は詳細を検討し、順次成案を得て、法律上の手当てが必要なものは法律案の準備を進めるなど、速やかに具体化の取り組みを進めてほしい」と述べました。

後藤厚生労働相「感染初期段階から機能する体制の構築図る」

後藤厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で、これまでの新型コロナ対応について「保健・医療提供体制の平時から備えを、現場まで落とし込む取り組みが不十分だった」と振り返りました。

そのうえで「都道府県と医療機関の間で協定を結ぶ仕組みを法定化するなど、事前の備えを究極的に行うとともに、危機の時に確実に稼働する枠組みの整備を図る。また、感染の初期段階から速やかに立ち上がり機能する体制の構築を図っていきたい」と述べました。

山際新型コロナ対策相「即応できる体制整えることが必要」

山際新型コロナ対策担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「医療提供体制を考えたとき、いまは機能しているが、もう少し体制をきちんと準備しておかなくてはならない。デルタ株とオミクロン株の状況が違うなど、敵は変わるので、柔軟に対応しなければならない。これから先何が出てくるか分からないので即応できるような体制を整えることが必要だ」と述べました。