将棋 羽生善治九段 前人未到の公式戦通算1500勝を達成

将棋で史上初の「七冠」を達成するなど数々の記録を持つ羽生善治 九段(51)が16日の対局に勝って、前人未到の公式戦通算1500勝を達成しました。

羽生九段は2019年、大山康晴 十五世名人の記録を塗り替える歴代最多の1434勝を達成し、その後も着実に勝ち星を重ね、先月19日の勝利で1500勝まであと1勝に迫っていました。

16日、大阪の関西将棋会館で行われた山崎隆之八段との対局で、82手までで勝利して前人未到となる公式戦での通算1500勝を達成しました。

羽生九段は1985年に15歳でプロ入りし1996年には当時の七大タイトルすべてを独占する史上初の「七冠」を達成するなどトップ棋士としての活躍を続け、2018年には将棋界で初めて国民栄誉賞を受賞しています。

羽生九段「これで終わりではない」

対局後、勝った羽生九段は「1つ1つの積み重ねの中で、1つの節目を迎えることができてうれしく思っています。ずいぶん長く棋士をやってきたんだな、ということも実感しました。これで終わりということではないので変わらずに前を向いて進んでいけたらいいなと思います」と話していました。

一方、敗れた山崎八段は「序盤から苦しかったかなと思います。注目の一番だったが、形を作れなかったので申し訳ない」と話していました。

羽生九段 対局後会見「さらに前に進んでいかなくては」

羽生九段は対局後の会見に臨み「順位戦の開幕戦ということもあり、記録よりも目の前の1局に集中してやっていこうという気持ちだった。結果として大きな節目を迎えることができて、とてもうれしく思っているし、さらに前に進んでいかなくてはいけないという思いを強くしている」と今の心境を語りました。

そのうえで「1500勝を達成したからといってすべての目標が終わったわけではない。進歩の余地がある。ずいぶん長くやってきたが、これから先も自分なりに少しでも進歩して、上達していけたらいいなと。それを今後の目標にしたい」と意気込みを述べました。

またタイトル通算100期まであと1つと迫っていることについては「挑戦者にならないと始まらない。まずは自分なりに力をつけてそういう場に出られる実力、気力を充実させることが大事だが、今の段階では現実味を帯びていない」と分析しました。

現在、在籍する「B級1組」から棋士の最も上のランク「A級」への昇級に向けては「B級1組のメンバーも強い人ばかりだ。1局1局が勝負で厳しい戦いになると思っている。自分なりにコンディションを整えて、充実させて、残りの対局に臨みたい」と述べました。

このほか、藤井聡太五冠をはじめとした若手の台頭については「若い世代の活躍は著しい。私も勉強になることがあり、素直にすごいと思う」と語っていました。

将棋界からは祝福の声

羽生九段が前人未到の通算1500勝を達成したことについて、日本将棋連盟会長の佐藤康光 九段は「この度は通算1500勝達成、誠におめでとうございます。心よりお慶びを申し上げます。1つ1つ丁寧に積み上げた中での前人未到のとてつもない大記録であり、7割弱という高勝率の中での達成は同世代の1人として、敬服の至りです。今後も将棋界のトップランナー、先駆者として益々のご活躍を祈念いたします」とたたえました。

また谷川浩司 十七世名人は「前人未到の1500勝達成、おめでとうございます。羽生九段の素晴らしいのは、相手に力を出させないのではなく、盤上の真理を追究し、お互いにベストを尽くした中で勝ち星を積み上げたことです。羽生さんにとっては通過点だと思います。これからも将棋界を牽引しながら、名局、熱戦で将棋ファンを魅了し続けて下さい」とコメントしています。