「食べログ」の運営会社に3800万円余の賠償命じる 東京地裁

大手グルメサイト「食べログ」が飲食店の評価の点数を算出するシステムを一方的に変更し、売り上げが大幅に減ったとして、都内の焼き肉チェーンの運営会社が賠償を求めていた裁判で、東京地方裁判所は「優越的地位の乱用にあたり独占禁止法に違反する」と判断し、「食べログ」を運営する会社に3800万円あまりの賠償を命じました。

東京都内を中心に焼き肉チェーン店を運営する「韓流村」は、飲食店の評価や感想を利用客が書き込む大手グルメサイト「食べログ」について「3年前、チェーン店の評価の点数を一律に下げるようシステムを変更され、サイト経由での来客が毎月およそ5000人以上減って売り上げが減少した」と主張して、サイトの運営会社「カカクコム」に6億円あまりの損害賠償などを求めました。

16日の判決で東京地方裁判所の林史高裁判長は「店側は食べログに会員登録をしていて、会員でなくなると経営に大きな支障をきたすため食べログ側から著しく不利益な要請をされても受け入れざるを得ない状況だ」と指摘しました。

そのうえで「評価の点数を算出するシステムの変更は、店側に不利益になる取り引きを不当に行ったもので、優越的地位の乱用にあたり、独占禁止法に違反する」として「食べログ」の運営会社に3800万円あまりの賠償を命じました。

焼肉チェーン代理人「透明性や公正 公平を重視して運営を」

判決を受けて、「韓流村」の代理人の弁護士が記者会見を開き「カカクコムの行為について独占禁止法違反を認定した判決は、主張がほぼ全面的に認められたことだと考えている」と述べました。

また、「食べログの評価が下がり、ことし4月以降、東京や大阪の8店舗が閉鎖を余儀なくされた。食べログのような飲食店などの評価を算出する事業者は巨大な力があるので、透明性や公正、それに公平を重視して運営をしてほしい」と訴えました。

そのうえで、損害賠償額などについて引き続き争うため控訴する方針を明らかにしました。

「食べログ」運営会社 “判決は不当”と控訴

「食べログ」の運営会社「カカクコム」は判決は不当だとして控訴したことを明らかにしました。

「2審では判決の問題点を指摘するとともに当社の正当性を改めて主張し、判決の是正を求めていく」とコメントしています。

専門家「画期的ですばらしい判決」

今回の判決について独占禁止法が専門で、東京都立大学法学部の伊永大輔教授は「食べログというサイトが飲食店にとって、お客さんを呼び寄せるための非常に重要なルートになっている。そうした中で、食べログを運営する事業者が、一方的に店の評価方法を変更したことについて、裁判所が独占禁止法の“優越的地位の乱用”にあたると判断した今回の判決は、画期的ですばらしい」と評価しています。

そのうえで、判決が与える影響について「ネット通販などほかのデジタルプラットフォームの事業者に対しても、同じように一方的に店の評価方法を変更すれば、独占禁止法に違反する可能性があると警鐘を鳴らすもので、非常に重要な意味を持つ」と指摘しています。

また、利用者への影響について「消費者は、グルメサイトの評価は公正・中立なものとして信頼して利用しているが、評価のつけかたが恣意的(しいてき)なものだとなれば、消費者や店側だけでなく、社会にとっても損失となる。透明性を確保した仕組みづくりが重要だ」としています。