“定番商品に新たな仕掛け” 東京おもちゃショー3年ぶり開幕

国内最大規模のおもちゃの展示会が開幕し、少子化が進む中、幅広い世代を取り込んで市場の拡大を図ろうと、ことしは定番商品に新たな仕掛けを加えた最新モデルを投入する動きが広がっています。

コロナ禍で3年ぶりの開催となった「東京おもちゃショー」は、東京 江東区で16日から2日間の日程で開かれ、国内外のメーカー96社のおよそ2万点のおもちゃが展示されています。

ことしは世代を超えて楽しめるようにと、ロングセラー商品の最新モデルが相次いで紹介され、このうち1980年に発売されたぜんまい式のミニカー「チョロQ」では、車を後ろに引いてから走らせるなじみの動きを残しつつ、車を引く回数に応じて内蔵のモーターが作動し、ターンやスピンなどこれまでなかった走り方ができる仕組みです。
また、表面のパネルの色をそろえる立方体のパズル「ルービックキューブ」の最新版では、角度を変えるとパネルの色の一部が変化し、慣れた人でも色をそろえにくい仕掛けになっているほか、最新型のジグソーパズルでは、特殊な印刷技術を使い、完成したパズルをスマホでフラッシュ撮影すると絵が変化する工夫がほどこされています。

主催した団体によりますと昨年度のおもちゃ業界の市場規模は8946億円と前の年度より8%余り増え、この20年で最高を記録していて、メーカー各社では少子化が進む中、幅広い年齢層を取り込むことで市場の拡大を図りたい考えです。

日本玩具協会「対象年齢の拡大が大きな市場に」

東京おもちゃショーを主催する日本玩具協会の伊吹文昭 専門委員は、メーカーの間で定番商品の新型モデル投入が相次ぐ背景について、「少子化の中で、どうしていくかがおもちゃ業界の最大のテーマで、子どもと大人が定番のおもちゃを一緒に遊んでもらうなど、対象年齢を広げていくことが、大きな市場をとっていくために欠かせない」と指摘しています。

そのうえで「世の中の変化とともに、消費者のマインドも変わっていくため、定番ブランドも支持され続けるためには新しい工夫やアイデアを盛り込んでいく必要がある」と話していました。

一方、このところのおもちゃの価格動向について伊吹専門委員は、「メーカーにとっては、円安や原油高、原材料費の高騰、それに運送コスト上昇などで二重苦、三重苦、四重苦と大変な状況で、それらに耐えるのも限界になってきている。7月から発売される商品では値上げの動きが見られるのではないか」と述べ、この冬のクリスマス商戦も見据えてメーカー各社の間では、新たな機能を加えるなどしたうえで、商品を値上げする動きが広がるという見方を示しました。

商品開発に 遊びを通じ社会の課題考えるきっかけを

幅広い年齢層の取り込みで市場の拡大を目指すおもちゃメーカーの間では、親の世代の関心に合わせ、遊びを通じて子どもたちに社会の課題について考えるきっかけにしてもらおうという商品の開発が進んでいます。

【おもちゃも環境配慮】

環境に配慮した商品への関心が高まる中、おもちゃ業界でもリサイクル素材を使った商品の投入が相次いでいます。

このうち、バンダイナムコグループは、プラモデルを組み立てたあと不要になる、部品をつないでいた枠の部分について、全国で回収する取り組みを昨年度から始めました。

集めた枠は、商品の生産過程で出される端材とともに、別のプラモデルの材料に使われ、環境に配慮した商品として販売しています。

また、カワダは、発売から60年になるブロックのシリーズで初めて、廃棄されるコメを素材に活用したブロックの販売を、ことし8月下旬から始めるということです。

【ジェンダー意識】

一方、性別に関わる固定的な意識をなくしていこうという動きも出ています。

パイロットコーポレーションは、発売から30年になる定番の人形のシリーズについて、これまで、ほとんどのモデルが女の子だったことを受けて、ことしは男の子の赤ちゃんをモデルにした人形を発売しました。

また、タカラトミーは、ベーゴマをモチーフにしたおもちゃを、性別を問わず楽しんでもらえるようにと、商品の一部に「ハローキティ」の絵柄を採用しました。

業界団体の日本玩具協会も、毎年行っている優れたおもちゃを表彰する催しについて、去年からは、男の子や女の子向けの商品を表彰する部門を廃止していて、多様な価値観を尊重する商品づくりを、業界をあげて取り組む姿勢を鮮明にしています。