アメリカなどウクライナへ追加の軍事支援発表 ロシア側は反発
ロシア軍がウクライナ東部で攻勢を強める中、アメリカなどはウクライナへの追加の軍事支援を発表しました。ウクライナのゼレンスキー大統領が謝意を示した一方、ロシア側はプーチン大統領の最側近の1人が「さらなる人的被害と破壊につながるだけだ」と反発しています。
ロシア軍は、完全掌握を目指す東部ルハンシク州のセベロドネツクを包囲するため攻勢を強めています。
アメリカ軍の制服組トップのミリー統合参謀本部議長は15日、訪問先のベルギーの首都ブリュッセルで記者会見し、セベロドネツクについて「現在、おそらく4分の3をロシア軍に奪われている」と述べました。
一方で、ウクライナ軍も街の至るところで応戦していて、決着はついていないと指摘しています。
また、ルハンシク州のハイダイ知事は、セベロドネツクにあるウクライナ側の拠点のアゾト化学工場に、今もおよそ500人の市民が避難していて、そのうち40人は子どもだと明らかにしています。
ロシア国防省は、こうした市民を工場から避難させるための「人道回廊」を15日に設置すると発表しましたが、その後「ウクライナ側が人道的活動を妨害した」と一方的に主張し、依然として市民の避難は困難な状況とみられます。
こうした中、15日ベルギーの首都ブリュッセルではアメリカの主導でウクライナへの軍事支援について話し合う会合が開かれました。
NATO=北大西洋条約機構の加盟国などおよそ50か国の関係者が参加し、各国からは多連装ロケットシステムなどさらなる兵器や弾薬の供与が相次いで表明されました。
また、アメリカのバイデン大統領はウクライナのゼレンスキー大統領と15日電話で会談し、対艦ミサイルなど10億ドル、日本円にしておよそ1300億円相当の追加の軍事支援を行うことを伝えました。
ゼレンスキー大統領は15日、新たに公開した動画で「この支援に感謝している。ドンバス地域の防衛にとって特に重要だ」と述べ謝意を示しました。
一方ロシア側は、こうした欧米の軍事支援の動きを強く警戒していて、プーチン大統領の最側近の1人、パトルシェフ安全保障会議書記は15日「こうした行動は逆効果であり、人為的に紛争を起こし、さらなる人的被害と破壊につながるだけだ」と反発しています。
一方ロシア側は、こうした欧米の軍事支援の動きを強く警戒していて、プーチン大統領の最側近の1人、パトルシェフ安全保障会議書記は15日「こうした行動は逆効果であり、人為的に紛争を起こし、さらなる人的被害と破壊につながるだけだ」と反発しています。