生後6か月から5歳未満への接種 “利益がリスクを上回る” FDA

FDA=アメリカ食品医薬品局の外部の専門家の委員会は15日、ファイザーとモデルナの新型コロナウイルスワクチンについて、生後6か月から5歳未満への接種は「利益がリスクを上回る」とする結論をまとめました。FDAが緊急使用の許可を決定すれば、5歳未満が初めてワクチンの接種対象となります。

アメリカでは現在、新型コロナウイルスワクチンの対象年齢は、ファイザーの「5歳以上」が最も低い年齢となっています。

この対象年齢について、ファイザーは生後6か月から5歳未満に、モデルナも生後6か月から6歳未満に、それぞれ拡大するようFDAに申請していました。

FDAは15日、外部の専門家の委員会を開いて検討を行い、この中で2社は、それぞれの臨床試験の結果を示したうえで、「十分な効果が得られ、健康への影響についても新たな懸念は見られなかった」などと説明しました。

専門家からは、「子どもの重症化リスクが比較的、低い中、必要性を慎重に検討すべきだ」といった意見も出ましたが、「接種が可能になる選択肢は必要だ」として、最終的に全会一致で「接種による利益がリスクを上回る」とする結論をまとめ、FDAに対し対象年齢の拡大を推奨しました。

ワクチンは、
▽ファイザーが大人の10分の1の量を3回、
▽モデルナが大人の4分の1の量を2回、
それぞれ接種します。

今回の結論を受けて、FDAが緊急使用の許可を決定すれば、アメリカでは5歳未満が初めて新型コロナウイルスワクチンの接種対象となります。

松野官房長官「必要な手続きなされれば適切に対応」

松野官房長官は、午後の記者会見で「5歳未満の子どもへのワクチン接種は今後、ファイザー社やモデルナ社より必要な薬事上の手続きがなされれば、厚生労働省で有効性や安全性を適切に確認するなどの対応がなされる」と述べました。