ゼレンスキー大統領 迅速な軍事支援の必要性 支援国に対し強調

ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握を目指していて、激戦地となっているセベロドネツクでは攻防が続いています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、厳しい戦いが続いているという認識を示したうえで、支援国に対し迅速な軍事支援の必要性を強調しました。

ロシア国防省は、14日もロシア軍がウクライナの各地をミサイルで攻撃し、このうち、完全掌握を目指している東部のルハンシク州やドネツク州で、多連装ロケットシステムを破壊したなどと発表しました。

また、ロシア軍はルハンシク州のセベロドネツクを包囲しようと攻勢を強めていて、ハイダイ知事は、ウクライナ側が拠点とする「アゾト化学工場」について「およそ500人の市民が残っていて、そのうち40人は子どもだ」として、危機感を示しています。

こうした中、ロシア国防省は14日の声明で「アゾト化学工場」から市民を避難させるための「人道回廊」を、現地時間の15日午前8時、日本時間の15日午後2時から設置すると発表しました。

セベロドネツクから北に50キロ余り離れた、ロシア側が掌握しているスバトボに向けて、市民を安全に避難させる計画だとしています。

一方で「ウクライナ側の兵士は、武器を置いて無意味な抵抗をやめなければならない」として、ウクライナ側の兵士の投降が必要だと主張し、圧力を強めています。

これに対し、ウクライナ側は、兵器の供与を加速するよう欧米各国に求めています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、新たに公開した動画で、セベロドネツクとその近郊で厳しい戦いが続いているという認識を示したうえで「ウクライナにはミサイルに対抗する最新の兵器が必要だと支援国に言い続けている。わが国にはまだ十分なレベルのものがないが、今まさにそのような兵器を必要としていて、その供与の遅れは正当化できない」として、迅速な軍事支援の必要性を強調しました。

15日にはベルギーの首都ブリュッセルでウクライナを支援する関係国が会合を開く予定で、ウクライナへの軍事支援の強化に向けた協議の行方が注目されます。