200頭余の犬 劣悪な環境で飼育か 飼い主を書類送検 千葉 八街

200頭余りの犬を劣悪な環境で飼育し虐待したとして、千葉県八街市の60代の飼い主が動物愛護法違反の疑いで書類送検されました。

書類送検されたのは、千葉県八街市に住む飼い主の女性(63)です。

警察によりますと、ことし3月、八街市の自宅で200頭余りの犬を劣悪な環境で飼育して衰弱させるなど虐待したとして、動物愛護法違反の疑いが持たれています。

警察は去年10月、動物保護団体から通報を受けて捜査を進めていました。

これまでの調べによりますと、飼われていたのは雑種の小型犬200頭余りで、ふん尿が適切に処理されていない不衛生な環境のなかで、多くが皮膚や目などに炎症が出る病気にかかっていたということです。

これまでの調べに対し、飼い主は容疑を認め「ふん尿を放置していたうえ、狂犬病の予防注射も打っておらず、虐待と思われてもしかたない。正直、こんなに増えると思わなかった」と供述しているということです。

飼育されていた犬のほとんどは、これまでに県が引き取り、動物保護団体などの協力を得て、新しい飼い主をさがしているということです。

当初は数頭も次第に増える 近隣住民から苦情相談相次ぐ

近隣の住民からは、犬の鳴き声やふんのにおいなど苦情を訴える相談が地元の自治体などに相次いで寄せられていました。

住民や県などによりますと、飼い主はおよそ10年前にこの住宅に引っ越し、飼育していた犬は当初、数頭でしたが次第に増え、いわゆる多頭飼育の状況になっていたといいます。

犬の鳴き声は数十メートル離れていても聞こえ、夜中になると響くため、睡眠の妨げになることもあったということです。

また、ふんや尿のにおいも強く、周辺の住宅にまで届いていたといいます。

こうした苦情を受け、市や県は飼い主に対し犬の数を減らすなど飼育環境を改善するよう繰り返し指導しましたが、目立った改善は見られなかったということです。

こうした中、去年10月、動物保護団体から通報を受けた警察が住宅の内部を初めて確認。

その後、動物愛護法違反の疑いで捜索に入るなど捜査を進めた結果、200頭余りの犬が劣悪な環境で飼育されていた疑いがあることが分かったということです。

飼育されていた犬は、県が飼い主に所有権を放棄するよう働きかけた結果、これまでにほとんどの犬が県に引き取られたということです。

これらの犬について、県は動物保護団体などの協力を得て新たな飼い主を探しています。

動物保護団体代表「飼い主は先のことも考えて飼育を」

去年10月、千葉県にある動物保護団体が道路から撮影した映像からは、囲いの中に複数の小型犬が飼育されているのが確認できます。

犬の鳴き声は家の中からも聞こえ、周辺ではふん尿とみられるにおいがしたということです。

また、これより1か月前の去年9月、別の保護団体が飼い主の立ち会いのもと撮影したという写真からは、たくさんの犬がひしめき合うように飼育されているのが分かります。

動画を撮影した動物保護団体「CACI」の代表を務める金子理絵さんは、ペットが増えすぎ適切に飼育できなくなる「多頭飼育崩壊」の状態に陥っていたと指摘しています。

そのうえで、金子さんは「不妊手術などを行わなかったことがこれだけ過密な状態を作った原因だと思う。今回のようにふん尿まみれできちんと世話がされず、犬がストレスを感じる状況は虐待にあたる。コロナ禍でペットブームと言われているが、飼い主は先のことも考えて飼育しなければならない」と話しています。