セベロドネツク ロシア軍が中心部につながる橋 すべて破壊

ウクライナ東部ルハンシク州のセベロドネツクでは、街の中心部につながるすべての橋がロシア軍に破壊されるなど激しい攻防が続いています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「強力な兵器がなければ、戦争は長引き、犠牲者が増えてしまう」と訴え、軍事支援を急ぐよう欧米各国に重ねて要請しました。

ウクライナ東部ルハンシク州のセベロドネツクでは、ロシア軍が街の中心部につながる3つの橋のうち2つを破壊し、残る最後の橋にも砲撃を加えました。

ルハンシク州のハイダイ知事は13日、「すべての橋が破壊された。セベロドネツクに残された市民は極めて困難な状況で生き延びている」とSNSに投稿し、市民の避難に深刻な影響が出ていることを明らかにしました。

さらにハイダイ知事は、ウクライナ軍が拠点の一つとしている「アゾト化学工場」について「およそ500人の市民が残り、そのうち40人は子どもだ。化学工場の地下の避難所はマリウポリのアゾフスターリ製鉄所ほど堅固ではない」として、市民が追い詰められつつあることに強い危機感を示しました。

これに対して、親ロシア派の武装勢力の幹部は13日、「ウクライナ軍の部隊は永遠にセベロドネツクにとどまることになる。彼らに残されているのは2つの選択肢で、仲間の例にならって降伏するか、死ぬかだ」と述べ、降伏以外に生きる道はないと迫りました。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、アメリカ・ニューヨークで開かれているユダヤ人の団体の会合に12日、ビデオメッセージを寄せました。

この中でゼレンスキー大統領は「ウクライナへの兵器の供与を加速させるため、力を貸してほしい。強力な兵器がなければ、戦争は長引き、犠牲者が増えてしまう」と訴え、火力で勝るロシア軍に対抗するため、軍事支援を急ぐよう欧米各国に重ねて要請しました。