ロシア軍 ルハンシク州完全掌握へ攻撃激化 戦闘長期化の見通し

ロシア軍はウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握に向け一層、攻撃を強めています。一方、ウクライナ国防省は、ウクライナ軍の抗戦で東部の掌握など、ロシア側の目標達成が遅れ、戦闘はさらに長期化するとの見通しを示しました。

ウクライナ東部のルハンシク州の大部分を掌握したロシア軍は、州の完全掌握を目指してウクライナ側が拠点とするセベロドネツクや隣接するリシチャンシクへの攻撃を一層強めています。

ロシア国防省は13日、リシチャンシク近郊のウクライナ軍の指揮所やレーダー設備などを破壊したと発表しました。

また、セベロドネツクとリシチャンシクの間を流れるドネツ川をめぐる攻防が激しくなっていて、ルハンシク州のハイダイ知事は12日、ロシア軍の攻撃で、川にかかる2つの橋が破壊されたと述べました。

ハイダイ知事は、13日には「ロシア軍による砲撃で、市民の避難や支援物資を送ることができない」として、橋が破壊されたことで市民の避難に影響が出ていると批判し、リシチャンシクについて「この数日間で死傷者が州内で最も多くなっている」という見方を示しました。

イギリス国防省も13日に公表した分析で「川を渡る作戦が戦争の行方を左右する最も重要な要素の1つになるかもしれない」として、ドネツ川をめぐる戦闘がカギになると指摘しています。

こうした中、ウクライナ国防省の高官は、地元メディアのインタビューに対し「ロシア軍は侵攻開始から30日ごとに計画を更新していて、現在は120日目までの計画を進めている」として、ロシア軍が今月下旬までにルハンシク州と隣接する東部ドネツク州の掌握を目指していると分析しています。

一方で「ロシア側は主要な目的を達成していないため、今後もウクライナへの攻撃を続けるだろう」として、ウクライナ軍の抗戦でロシア側の目的の達成が遅れ、戦闘はさらに長期化するとの見通しを示しました。