米連邦議会上院 超党派議員グループが銃規制強化策で合意

アメリカで銃撃事件が相次ぐ中、連邦議会上院の超党派の議員グループが、銃規制の強化策で合意に達したと発表しました。合意内容には銃の購入者が21歳未満の場合は審査を厳格にすることなどが含まれていて、長年進んでこなかった銃規制の新たな法制化に向けた前進だと受け止められています。

アメリカでは先月、南部テキサス州の小学校で18歳の男が銃を乱射し、児童19人を含む21人が死亡するなど、銃撃事件が相次いでいます。

こうした中、連邦議会上院の超党派の議員で作るグループは12日、銃規制の強化策で合意に達したと発表しました。

合意内容には、銃の購入者が21歳未満の場合は問題行動の履歴やメンタルヘルス面の審査を厳格化することや、著しく危険と見なされた人物から銃を没収できるように州政府を支援すること、それに、メンタルヘルス対策や学校の安全対策に資金援助を行うことなどが盛り込まれています。

一方で、焦点となっていた殺傷能力の高い銃を購入できる年齢の引き上げなどは含まれていません。

グループでは今後、合意内容に沿った法案を提出し、上下両院で可決を目指すとしています。

アメリカでは重大な銃撃事件が起きるたびに規制の強化が議論されてきましたが、「銃の所持は憲法で保障された国民の権利だ」という考え方やロビー団体の反対などを背景に規制強化は長年進んできませんでした。

今回合意したメンバーには銃規制の強化に慎重な立場をとる共和党の議員10人も含まれていて、アメリカでは銃規制の新たな法制化に向けた前進だと受け止められています。

バイデン大統領 法案の可決急ぐよう求める

今回の合意についてバイデン大統領は声明を発表し、「私が必要だと考える対策のすべてを満たすものではないが正しい方向に向けた重要な進展をもたらすものだ。この数十年の間で最も意義ある銃規制の法制化となるだろう」として歓迎し、議会に対し法案の可決を急ぐよう求めました。

銃規制の法制化 長年進まず

アメリカでは重大な銃撃事件が起きるたびに銃規制を強化すべきだという声が上がってきました。

1993年には民主党のクリントン大統領のもとで、銃を購入する際に犯罪歴の調査を義務づける法律が成立しました。

翌1994年には殺傷能力の高い銃の販売を制限する10年間の時限立法も成立しましたが、2004年、共和党のブッシュ政権時代に延長されないまま失効してしまいます。

その後、銃規制の強化を優先課題としてきたオバマ大統領の任期中の2012年、東部コネティカット州の小学校で男が銃を乱射し、児童など26人が死亡する事件が起きます。

事件を受け、オバマ大統領はよくとし、銃の購入者の犯罪歴の調査をより厳格化することなどを盛り込んだ法案の成立を目指しましたが、野党・共和党などの反対で否決されました。

オバマ大統領は銃による犯罪の犠牲者が相次いだ任期中、涙を流して対策の必要性を訴えたこともありました。

その後、2017年からのトランプ政権下でも悲惨な銃の乱射事件が相次ぎ、トランプ大統領は銃規制に前向きな考えを示したこともありましたが、結局、慎重な姿勢は崩さず、実質的な規制の強化には至りませんでした。

アメリカでは銃の所持は自衛のために必要で、憲法で保障された国民の権利だという考えが根強くあります。

また、共和党の有力な支持基盤でもあるロビー団体、NRA=全米ライフル協会が規制の強化に強く反対し続けています。

こうした事情を背景に銃規制の新たな法制化は長年進んできませんでした。