「動物福祉」意識高まり 自動車メーカー 植物由来の素材使用

家畜にとってストレスの少ない飼育環境を目指す「アニマルウェルフェア」=動物福祉への意識が欧米などで高まっていることを受けて、自動車メーカーの間では、高級車の座席のシートなどに本革ではなく、植物由来の素材などを使う動きが出始めています。

このうち、トヨタ自動車はこの冬以降に販売する高級車ブランド「レクサス」のEV=電気自動車モデルで、座席のシートやハンドル部分にサトウキビなどの植物由来の繊維を使った素材を使うということです。

高級車に使われることが多かった本革ですが、欧米などでアニマルウェルフェアへの意識が高まっていることから、植物由来の素材に切り替え共感する消費者を呼び込むねらいです。

渡辺剛チーフエンジニアは「共生や共存、『サステイナブル』ということにつながるものが、高級感の価値につながっていくと思う」と話していました。

海外メーカーでも、スウェーデンのメーカー、ボルボ・カーが2030年にすべての車種で本革ではなく、ワインのコルクをリサイクルした素材などを使うほか、ドイツのBMWやメルセデス・ベンツも一部の車種で本革を使わなかったり、代替品の研究を進めたりしています。

アニマルウェルフェアへの意識の高まりを受けて、ファッション業界では毛皮の使用を控える動きが出ていますが、車でも広がる可能性があります。