【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(13日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる13日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

“シェルターの役割” 世界各地で見直す動き

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をきっかけに、世界各地でシェルターの役割を見直す動きが広がっています。

このうちNATO=北大西洋条約機構への加盟を申請しているフィンランドでは、一定の広さを超える建物にシェルターの設置が義務づけられています。
ふだんは市民が利用するスポーツ施設や駐車場が、非常時には飲料水や簡易ベッドなども備わる大型の避難所となります。
メディアによりますと、フィンランドの自治体の中には軍事侵攻後まもなく、こうしたシェルターが問題なく使用できるか緊急点検を行ったところもあったということです。
このほか、スイスやイスラエルなども、一定の広さを超える住宅などにシェルターを設置することを義務づけていて、軍事侵攻をきっかけに、世界各地ではシェルターを整備したり、改めて点検したりと関心が高まっているということです。

ドネツ川めぐる攻防が激化

ウクライナ東部のセベロドネツクとリシチャンシクの間を流れるドネツ川をめぐる攻防が激しくなっていて、ルハンシク州のハイダイ知事は12日、ロシア軍の攻撃で、川にかかる2つの橋が破壊されたと述べました。

ハイダイ知事は、13日には「ロシア軍による砲撃で、市民の避難や支援物資を送ることができない」として、橋が破壊されたことで市民の避難に影響が出ていると批判し、リシチャンシクについて「この数日間で死傷者が州内で最も多くなっている」という見方を示しました。

イギリス国防省も13日に公表した分析で「川を渡る作戦が戦争の行方を左右する最も重要な要素の1つになるかもしれない」として、ドネツ川をめぐる戦闘がカギになると指摘しています。

WTO閣僚会議2日目 「食料安全保障」を議論

スイスのジュネーブで開かれているWTO=世界貿易機関の閣僚会議は日本時間の13日、2日目に入り、「食料安全保障」について話し合う会合では、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアの軍事侵攻で世界的に農産物の供給が滞り、食料価格が高騰していることへの対応が議論される見通しです。

具体的には、食料の輸出国が自国への供給を優先するため輸出を規制している状況や、ウクライナ南部の港から小麦などの穀物がロシア軍の妨害によって輸出できない状況を踏まえ、WTOとして不要な輸出制限をしないルールの徹底や、輸出を妨げないようなルール作りの必要性などについて話し合うということです。

日本財団が新たな基金を立ち上げ 目標は10億円

ウクライナから日本に避難する人の数が当初の想定を上回り、避難生活のさらなる長期化も見込まれるとして、日本財団は日本語学習などを支援するため新たな基金を立ち上げ、10億円を目標に一般から寄付を募ることを明らかにしました。

集まった資金は、日本語学校に通うための奨学金など日本語学習の支援や、地域住民との交流イベントの費用などに充てるということです。

ウクライナから避難の子どもたちが初登校 長野 高森町

ロシアの軍事侵攻を受けてウクライナから長野県高森町に避難している子どもたちが、13日から町内の学校に通い始めました。

このうち、3人が登校した高森北小学校では全校集会が開かれ、3人が日本語で「よろしくお願いします」と自己紹介すると、児童たちから歓迎の拍手が送られていました。3人は緊張した様子でしたが、ほかの児童たちに靴箱の場所や教室などを案内されると、安心したように笑顔を見せていました。

“今こそ多国間の枠組みが必要” WTO事務局長

WTO=世界貿易機関のオコンジョイウェアラ事務局長は12日、ジュネーブの本部で記者会見し「世界はいまだ新型コロナウイルスに対処しているさなかで、ロシアのウクライナ侵攻を受けた食料危機やエネルギー危機も進行中だ。これだけの危機が同時多発的に起きるのはこれまで前例がない」と、強い危機感を示しました。

そのうえで「大事なことは、どのメンバーもどの国も単独でこうした危機を解決することはできないということだ」と述べ、今こそWTOのような多国間の枠組みが必要だと強調しました。

WTO閣僚会議で多角的貿易体制の揺らぎを議論

WTO=世界貿易機関の閣僚会議が日本時間の12日夜、スイスのジュネーブで開会式を行い、4日間の会議の初日となるこの日は、ロシアのウクライナ侵攻が要因となり食料やエネルギーなどの価格が高騰し多角的貿易体制が揺らいでいる現状について議論が行われました。

“ロシア 食料を人質に世界を脅迫している” ウクライナ通商代表

ウクライナへの支援会合を主催したEU=ヨーロッパ連合のドムブロフスキス上級副委員長がメディアの取材に応じ、「ロシアによる穀物輸出の妨害を一刻も早く解除し、ウクライナの農家がその対価を早く受け取れるよう努力しなければいけない」と述べ、ウクライナの港の封鎖が解除され少しでも早く穀物の輸出が再開できるよう国際社会に働きかけていく考えを示しました。

また、ウクライナのタラス・カチカ通商代表はWTO加盟国の連帯に感謝の意を示すとともに「ロシアによる戦争はウクライナで経済を破滅させ何千もの人々を殺しているというだけでなく、『飢餓のゲーム』を行っているという意味では世界全体にとっても脅威だ」と述べ、ロシアが食料を人質にとり世界を脅迫していると批判しました。

ウクライナの貿易環境改善を支援 EU主催の会合で声明

EU=ヨーロッパ連合の主催でウクライナへの支援を話し合う会合が開かれ、日本を含むおよそ60の国と地域の代表が出席し、ウクライナの貿易環境の改善を支援するとともに、ほかの加盟国への協力を呼びかけることなどをまとめた声明を発表しました。

ゼレンスキー大統領「ロシア軍 国民を捨て駒に」

ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、新たに公開した動画で「ロシア軍はドンバスに予備役の部隊を配置しようとしているが、訓練不足の徴集兵などを戦場に投入しようとしているようにみえる。ロシア軍の将軍たちは国民を数の上で優位に立つための捨て駒としか見ていない」と述べ、ロシア軍を批判しました。

また、東部の戦況について、「セベロドネツクでは激しい戦闘が至るところで続いている。リシチャンシクやスラビャンスクなどの方面にもロシア軍は圧力を強めている」と述べ、ロシア軍がセベロドネツク以外の東部の都市にも攻勢をかけているとの見方を示しました。

ロシア資本のハンバーガーチェーンに行列

ロシアから撤退したアメリカのハンバーガーチェーン大手、マクドナルドの店舗を利用して、ロシア資本の新たなハンバーガーチェーンが12日、15の店舗で営業を始めました。

新たなハンバーガーチェーンの名前は「フクースナ・イ・トーチカ」、ロシア語で「おいしい。ただそれだけ」という意味です。

営業初日となった12日、首都モスクワの店舗では、市民が長い行列を作り、カウンターでハンバーガーやポテトを次々と注文していました。

マクドナルドで好きだったチキンのハンバーガーなどを注文したという男性客は「すべて同じです。もちろんパッケージは新しくなっていますが、味も品質もすばらしい」と話していました。

マクドナルドは、ロシアによる軍事侵攻を受けてことし3月中旬、ロシア国内のおよそ850店舗すべての営業を停止し、その後、ロシアの会社に事業を売却していました。

会社の代表は「850店舗だけでなく、新しい店舗を開いていく」と話していて、会社としてはマクドナルドよりもさらに店舗を増やし、ロシアのブランドとして成長させたい意向です。

ロシア著名人が軍事侵攻を支持

6月12日の「ロシアの日」にあわせて、首都モスクワのクレムリンで開かれた式典では科学技術や文化などの分野で活躍した著名人が表彰されました。

このうち、ロシアの著名な映画監督のニキータ・ミハルコフ氏は「ロシアは、20年前の奈落の底から抜け出し、いまに至った。われわれが生きるこの時代に、ドンバス地域では、まさに、新しいロシアが誕生しようとしている」と述べウクライナへの軍事侵攻を支持する考えを示しました。