ゼレンスキー大統領「力の強い国 なすがままはいけない」

アジアや欧米の防衛担当の閣僚らが集まる「アジア安全保障会議」で11日、ウクライナのゼレンスキー大統領がオンライン形式で演説し、ロシアによる軍事侵攻をめぐり「力の強い国のなすがままにしてはいけない」と述べ、力による現状の変更を許さず、国際秩序を守る重要性を強調しました。

シンガポールで行われていることしの「アジア安全保障会議」では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が、主要なテーマの1つになっています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、11日の日本時間の午後5時ごろ、オンライン形式で演説しました。

この中で、ゼレンスキー大統領は「ロシアは隣国が自由に独立して存在することを許さず、ウクライナで多くの人を殺害している」と非難したうえで、「黒海の封鎖により、アフリカやアジアなどで深刻な食糧危機に陥るおそれがある」として、ロシアの侵攻が世界の食料安全保障を脅かしていると指摘しました。

そのうえで、会場に集まったアジア太平洋地域の防衛関係者に対し「財政や装備において力の強い国のなすがままにしてはいけない。もしも外交で解決できる方法があるのであれば、真っ先に行わなければならない」として、力による現状の変更を許さず、国際秩序を守る重要性を強調しました。

そして「ウクライナへの支援は、皆さんの未来の平和のためでもある」と述べ、国際社会に支援を求めたのに対し、参加者からは拍手が送られていました。