ロシアと中国国境の川に道路橋が初開通 協力強化がねらいか

ロシアと中国の国境を流れるアムール川に、初めての道路橋が開通しました。ウクライナへの軍事侵攻をめぐり欧米各国から厳しい制裁を受けるロシアとしては、中国との協力をより強化したいねらいがあるとみられます。

開通したのは、ロシア極東のアムール州と、中国東北部の黒竜江省の間を流れるアムール川にかかる長さ1キロ余りの道路橋です。

10日は開通式が行われ、オンラインで参加したロシアのトルトネフ副首相は「今の分断された世界でロシアと中国の橋は象徴的な意味を持ち、両国の人々を結ぶ友情の糸となるだろう」とあいさつしました。

また、中国の胡春華副首相は「この橋の開通を契機に、中国東北部とロシア極東の協力を新たな段階へと引き上げたい」と述べました。

この橋は、ロシアと中国の双方が2016年に建設を開始し、おととし完成していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開通が延期されていました。

ロシアと中国は4000キロ余りにわたって国境で接していて、そのうちの半分ほどを流れるアムール川に道路橋が開通するのは初めてです。

ウクライナへの軍事侵攻をめぐり、ロシアが欧米各国から厳しい制裁を受ける中で、ロシアとしては、中国との協力をより強化したいねらいがあるとみられます。