ワクチン3回接種の高齢者 発症防ぐ効果 約80% 長崎大など

新型コロナウイルスのオミクロン株が広がった後、ワクチンを3回接種した高齢者で、発症を防ぐ効果はおよそ80%だったことが、長崎大学などの研究で分かりました。オミクロン株に対しても、3回目の接種によって有効性が上昇するとしています。

長崎大学などのグループは、オミクロン株が広がったことし1月から3月に、10の都県の13の医療機関で、コロナの疑いがあって検査を受けた16歳以上の男女5169人のデータをもとに、ワクチンで発症を防ぐ効果を分析しました。

厚生労働省の専門家会合で示された結果によりますと、65歳以上の高齢者で、未接種の人と比べた場合の発症を防ぐ効果は、ファイザーかモデルナのワクチンの3回目の接種を受けてから2週間以降では80.5%でした。

また、16歳から64歳では、2回の接種を受けてから、
▽90日以内では35.6%、
▽91日から180日まででは34.5%、
▽181日以降でも34.8%となっていましたが、
3回目の接種を受けると、68.7%に上昇しました。

研究グループは、高齢者を含む16歳以上では、オミクロン株に対しても3回目の接種によって有効性が上昇するとしています。

専門家会合の脇田隆字座長は「オミクロン株が広がったあとでも、3回目の接種の有効性が示された結果だ。ワクチンの有効性と安全性についてしっかり周知し、さらに接種率を上げていくことが必要ではないか」と話しています。